Introduction
第四話 欠陥機
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えたにしては当たらずとも遠からずだと思う。
まぁ、結果として月読は再び初期化と最適化を試みて失敗した。
つまり、今の月読は完全な一次移行にまで至っていない。
ISは自己進化が設定されていて、全ての経験を蓄積し『形態移行』を行っていき、通常は初期化と最適化が終わればそのまま第一形態に移行する。
でも途中でそれが失敗、中断したことでそれ以上の作業を月読は止めてしまった。
初期化すらも中途半端に行われたせいで、ただでさえブラックボックス化していた月読の内部データはより混沌としたものになっている。考えても見てほしい。知恵の輪を強引に曲げてしまい、正しい解き方がわからなくなってしまった状況を。
そんな訳で月読はちょっと厄介な状態になってしまっている。
武装も本来は三つあるようだけど、データが中途半端に更新されてしまい名前もわからずそのうち二つは展開もできない。唯一展開できたのが『■ ■ ■ 剣』のみ。これも正式名称はデータ欠損で読み取れない。名目上、『無銘剣』と呼んでいるこの武装は文字通りの近接武器。どちらかというと日本刀に近いものだ。でも本来の性能に至っていないのか現状では何の変哲もないただの刀、といったところだ。
つまり今のままだと僕はこのネームレスだけで戦うことになる。
それを回避するための調整作業だ。一週間では厳しいかもしれないけどこの剣の性能を取り戻すか、残り二つのうちどちらかを解析し、展開可能にする。ベストは最適化完了だけどそれは難しいかな。
最も、仮にそうなったとしても月読の機能で唯一無事だった特殊な加速技術があればそれなりには戦えるのだけど、できれば使いたくない……体の負担が大きいから。
翌日、さらに騒ぎは加速していた……原因は言わずもがな。薫子さんへ話したことが早くも学園中に広がっていたのだ。一部ではトトカルチョまで行われているとか。ちなみに本命は当然楯無さんらしい。
「白銀の姫君の人気も凄いことになってるわよ」
「その呼び方はやめてください……」
楯無さんには昨日薫子さんに聞いた呼び名で度々からかわれるようになってしまった。
そりゃ楯無さんはいいよね、学園最強なんてそのままなんだから。僕は姫君どころかそもそも女ですらないから! いや、白銀の王子だったらいいのかって言われてもそれもいやだけどね。
「でもなんかいいッスね、二つ名みたいなの。ウチもなんか二つ名かあだ名みたいなの欲しいッス」
フォルテさんは完全に他人事だ。というより昨日スルーされたのを根に持っているんじゃないだろうか。
「あら、なら私がつけてあげましょうか。う〜ん、アフォルテ?」
「なんなんスかそ
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