Introduction
第四話 欠陥機
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、現行の世代とは違ったコンセプトで作られたプロトタイプ機で、いろいろと欠陥がある。こんなニュアンスの説明だ。自社開発の機体を自分達で解析できないなんて身内の恥をわざわざ暴露するのも気が引けるし。まぁ、STCや西園寺の名に別に思い入れがある訳ではないから気にしないといえばしないんだけどね。
どちらにしろ、薫子さんは僕の説明ではしっくりきてないみたいだ。……まぁ、仕方ないか。
「簡単に言えば乗り手を選ぶということでしょうか。他の方が操縦しても量産機並みの動きも難しいですけど、私にはそれらよりも動かしやすく感じるのです」
本当のところ、僕は月読以外は動かせないんだけどそれは秘密なのでこう言っておく。
「なるほどね〜、つまり西園寺さんが動かせば専用機を持つ他のお二人ともいい勝負ができると期待してもいいってことね!」
「そうですね、勝つにせよ負けるにせよ専用機を持つ以上は恥ずかしい戦いにならないよう最善を尽くします」
インタビューといえるものはここで終了し、そのあとは僕ら三人に薫子さんは交えての雑談になった。
……むしろここから彼女の本領発揮といったところだったが。
気づけばこの短時間でお互い名前で呼び合うようになり、楯無さんに至ってはよっぽど気が合ったのか『たっちゃん』と呼ばれていた。この相手の懐に入り込む才能は素直に凄いと思う。
放課後になり、束さんから貰った専用端末を手に僕は整備室へと向かった。当然、自身のISの調整のためだ。
薫子さんには話さなかったが、月読には大きな欠点がある。それはこのISが紫音専用機として最適化されていることだ。その月読を本来であれば完全に初期化せずに僕がまともに動かすことなどできるはずが無い。
でも、どういう訳か起動してしまった。
これは僕の仮説だけど、僕と紫音は本来ありえない一卵性でありながら性別が異なる双子だ。でも一卵性だからおおよその遺伝子情報などは一致しているため、月読が僕を紫音として誤認識してしまったのではないだろうか。ここに、僕が男でありながら月読を起動してしまった理由もある気がする。でも、その男女の差異という致命的な遺伝子の差異が矛盾を生み出している。
なんでこんなことを考えたかと言うと、初めて月読を起動してしまったとき束さんに連絡したら
『なんでしーちゃんがIS動かせるのかな? ちょっとお姉さんに解剖されてみない? え、嫌なの? じゃぁじゃぁ、丁度いいから体の隅々まで調べさせて〜』
なんて言われたから必死に仮説を立てて説明して、事なきを得た。あの時は電話越しだったのに本気で身の危険を感じた。そもそも何が丁度いいのかわからない。彼女が納得したかは微妙だけど、咄嗟に考
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