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SONG FOR USA
4部分:第四章
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虚だとは思わなかった。目の前を夜間飛行の飛行機の光と流れ星の光が通り過ぎていく。そして消えていく。それだけだった。
 アメリカの中に。何もかも消えていく。夢も俺達も。それが今見えていた。はっきりと。
「時間も何もかも」
 俺は最後に呟いた。
「消えていくな。けれど」
 俺達がここにいたことだけは忘れたくはなかった。絶対に。それだけは思った。
 思うと一緒に何かが俺に語り掛けてきた。それは何だったのか。
 急に曲を作りたくなった。俺達は六人になった。けれどその六人でも作られる曲を。テーマはもう決めていた。
「あいつの為に。そして」
 空を見上げる。紫の空の向こうにいる彼女に向けても。
「アメリカからの歌だな」
 今作ろうと思った。あいつと、あの娘の為に。
 アメリカにいる俺達からいってしまったあいつへの、そして日本にいる彼女の為の歌だ。きっと作ってやる。それで同じ時間を生きた証を作ろうと思った。


SONG FOR USA   完


                2006・5・22


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