もう一つの温もり
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です。少し付き合ってもらえませんか」
普段真面目な顔なんてしない私が真剣な顔をしていたので驚いたのだろう。
先生が真面目な顔で呟いた。
「わかった、なら、別の教室行こうか」
そして吉川先生には秘密にして欲しい、という旨を伝え、後で合流することにした。
「とりあえずなんとかなったよ」
「…うん。」
元気がない。状況で元気になれ、というのも酷だが元気がない。
「いこっか、」
「…どこいくの?」
「資料室、だって、職員室のとなりの隅っこにあるの」
「そんな部屋、あるんだね」
「一般生徒はしらないよ?これ」と、私は笑った。
そして、その資料室の前についたが、
「…入口どこ?」
「このさ、小さいとこじゃない?」
「すごい部屋だね…でも、なんか秘密基地みたい」
「すごいね…」
そして、なかにはいると、椅子とテーブルと、そして本が並んでいた。
「すごいほこりっぽいね…」
「掃除したいよー…」
綺麗ずきな沙耶にはかなり応えるらしい。
そうして話していると先生がやってきた。
「腰が…」
「…大丈夫ですか?」
「でも、すごいですね、この部屋」
「この学校にきたときね、ちょっと本を探してて見つけたのよ。知らない先生も結構いるはずよ」
「なんだか、秘密基地みたいで楽しいですね」
「で、話ってなにかな?」
「あ、あの化学の吉川先生のことなんですけど…」
「え、吉川くんがどうかしたの?」
「えっーとですね…」
「大丈夫、花乃ちゃん。ちゃんと自分で言うよ」
そういうと沙耶はぽつぽつと話はじめた。
*
話始めた時には茜色だった空がいつの間にか真っ暗になっていた。
「…そっか。わかりました。」
先生も浮かない顔である。
そして、今にも泣き出しそうな沙耶を抱きしめた。
「ごめんなさいね、何も気づいてあげられなくて」
「これは、私達大人の問題だから、私達で何とかするわ。大丈夫、木暮さんの名前は出てこないようにするから。」
「…はい、ありがとうございます」
「じゃあ、連絡は和泉さんを通して、でいいかな?」
「大丈夫です。」
「じゃあ、今日は二人で帰りなさい。吉川くんがどうでるかもわからないしね。あ、途中まで送ってくわ」
そして、校門をでると私達は二人きりになった。
「…こないよね、あの人」
「多分先生がなんとかしてくれてるはず」
駅に着くと電車はタイミングを見計らったようにすぐやってきた。
「入口まで送ってくよ」
「悪いよ…」
「大丈夫大丈夫、でなけりゃただだし」
「私ね、お母さんっていっても良く分からないの。いっつもいないし、たまにしか会えないし。お姉ちゃんが親代わりみた
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