もう一つの温もり
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10.
目が覚めると、隣に沙耶の姿がなかった。
一瞬体がこわばったものの、台所から漂ってくるいい匂いで沙耶が朝ごはんの用意をしていることを思い出した。
「…おはようございます」
「「おはよう」」沙耶と、知沙さんがもう台所に立っていた。
「顔洗ってきます…」
顔を洗って、制服に着替えるとやって目が覚めて頭が働きはじめた。
何気なくきた制服きちんとあアイロンがかけてあったのことに私が気づくのは大分後のことである。
もう一度台所に戻り二人に
「手伝います」
と言うと、私も沙耶と一緒にお弁当を作った。沢山いる兄弟の弁当なので、机の上にはカラフルな彩が並んでいる。
私も自分の弁当を自分でつくるようになって大分たつので慣れたものだ。
二人は朝早く、何を話したのだろうか。
でも、知沙さんが朝私を見て笑ってくれたのは本当のことだ。
賑やかな朝食を終えて外に出ると、知沙さんと、兄弟達が見送ってくれた。
沙耶が一番学校が遠いので、出るのが早いのだ。
駅に向かう道の途中で
「沙耶、大丈夫?」
「…うん、昨日ね花乃ちゃんがすごいあったかかったの。だから…大丈夫」
「へ?」
なんとも間抜けな声が出てしまった。
「…なんでもない、でも、昨日はありがとうね」
と、私の耳に寄せて小声で囁いた。なんだかどきっとしてしまったのだ。
「今日はすごい晴れてる」
「昨日天気予報では明日は雨が降るって言ってたんだよ?」
「私ね、雨の日も嫌いじゃないの。濡れちゃうし嫌なんだけどね、でも、雨ってやんだらすごい綺麗な青空になったり、虹かでたりするでしょ?それがすごい好きなの。」
「そっか…そう考えたら雨も悪くないかもね」
私は笑った。
「でも、まだ終わったわけじゃないからね?部活終わったら教室でね」
そのまま学校に行き私達はいつも通り授業を受けた。
そのままいつも通り部活に行き、約束通りに教室で待ち合わせをした。
「待った?」
「うん」
少しだけ沙耶の顔が強ばっている。
「大丈夫。」
階段のところで
「少し、待っててね今、見てくるから」
そういって、先生がいる部屋のドアをあけた。
案の定吉川もいたが、伊藤先生もいた。
「どうした?」
吉川の顔が少しひきつっている気がした。
「先生、少しいいですか、部活のことで、あと質問したいんです」
「あー、じゃあ、隣にいこうか」
「あのー先生…」吉川が焦っている。
「なに?」
「いや、なんでもないです」
先生にが教室に入ってくると失礼を承知で腕を掴んで教室に一番後ろに引っ張った。
「ど、どうしたの…?」
私は真剣なかおで囁いた。
「先生に聞いてもらいたいことがあるん
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