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錆びた蒼い機械甲冑
W:彼の視点での来訪者
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、唯鬱陶しいだけである。
 しかし、その人間がやってくるまではまだ時間があったので、最後に確認するべき事を隠しておこうと機械騎士は思い、立ち上がった。彼は握っていた“プラエトリアニ”を虚空にかざす――――すると、“プラエトリアニ”が鈍い光を放ち、次の瞬間には消えていた。
 そして、再び手が鈍く光ったと思うと、何時の間にやら先程とは違う武器が現れていたのだ。


(武装転送装置モ問題無イ、カ……スルト、余計ニコノ森ガオカシク見エテキタナ…)


 不自然に開けたその場所からは空がよく見え、彼の心情とは真逆とも言っていいほど晴れ渡っていた。


(マア良イ……ドノ道コレガ、ココデノ最後ノ戦闘トナルカラナ……アル程度ハ派手ニヤッテヤロウジャナイカ)


 再びステルスで身を隠した機械騎士は、気配を殺して来訪者を待ちうける。彼は逃げる事があまり好きでは無く、どうせ敵なら闘ってやろうという考えの持ち主なのだ。同時に、命を掛けなくてよいならば、それを良しとする性格でもある。


 機械騎士は現れた男が武器を引き、警戒しながら此方から視線を外したのを見計らって、水からステルスを解いた。


「なにっ!?」


 思った通り。彼もまた、此処に来た者たちと同じ反応をした。それを見て満足感に浸る人種も居るが、機械騎士はそれを面白がったりする性分ではないので、すぐさま手に持っている、鋸と鉈を組み合わせた形の刃に鎹の様な取っ手を付けた武器“カッシウス”を、今までと同じように腰辺りで引き気味に構える。

 先に行動したのは男の方で、彼は何やら構えを取り、その構えられた剣からは光が発せられている。 此処に来た者たちは攻撃前に隙の大小有れど皆構えを取り、武器から光を発しならが攻撃してくる……機械騎士はこれにもまた疑問を持っていた。
 明らかに武器以上のリーチを持っている攻撃があったり、派手な光の割には威力があまりなかったり、そして一番奇妙なのが“構えは素人同然なのに、放たれる技は洗練されている”事だった。


 男は光の軌跡と共に、騎士が今まで見た事の無い技を放ってきたが、単なる突進による突きであるそれを騎士が喰らう筈もなく、わざと紙一重で避け剣を掴んで動きを止めた。
 驚きのあまり声すら出ない男に、機械騎士は足払いを喰らわせて体勢を崩し、次いでブースターを利用した体当たりを打ち込んで男を弾き飛ばす。男はまるで車にでもぶつかられたかのような勢いで、背後の木に激突した。

 騎士の攻撃はまだ終わらない。
 “カッシウス”を斜め上に放り投げ、麻痺毒付きの投げナイフを数本男に命中させて動きを封じ、間髪いれずにブースターによる急加速で飛びあがって“カッシウス”を掴む。


 更に“カッシウス”の“機能”を発動させて振りかぶり
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