W:彼の視点での来訪者
[2/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
て騎士のステルスは解け、人間達の前にその姿を晒す。彼等から見れば、騎士がいきなり目の前に現れた様に見えるだろう。
事実、目玉が飛び出さんばかりに驚いている。
(サテ、如何出ル……?)
静かに、悟られないように構える機械騎士だったが、彼等が取り出した物を見て怪訝に思った。綺麗なクリスタルのようにも見えるソレは、彼が見てきた鉱石のどれとも結びつかなかったからだ。
(何レニセヨ……防イデオイタ方ガイイカ)
騎士は剣を斜め前方に放り投げると、ブースターを利用して高速で彼等からクリスタルを?ぎ取り、全て潰していく。次に、驚く彼等に殴打を叩き込んで陣形をバラバラに崩した。
(コレデドウダ……次ハ何ヲスル…!)
思考しながらも騎士は行動を止めない。
投げた“プラエトリアニ”を走りながらキャッチし、一番構えのなっていなかった少女に狙いを定める。そして、抵抗させる暇を与えないと言わんばかりのスピードで詰め寄って剣を振り上げた。
「!? ひっ……!」
「に、逃げろぉ!!」
(……此処マデ、ダナ)
機械騎士は少女を見下ろしたまま、再起動可能になった“ステルス”を使い、姿を消した。彼等は全くの初心者にしか見えないうえ、此方は彼等を使って実験する目的しか無かったからだ。
(単ナル“トレジャーハンター”ノ類カモシレン……ダトスルト警戒シスギタカ)
とりあえず機械騎士は、彼等がここを離れるまで待つ事にした。
・
・
・
・
・
(人相手ニ実験シタ罰デモ当タッタノダロウカ……?)
アレからさらに数日、機械騎士は頭を悩ませていた。というのも、彼等が此処に来てから、連日のように人間達がやってくるようになったのだ。幸いそこまで強い者達はいなかったが、彼等が連日やってくる所為で探索の後も碌に休めず、更に試したい事も疲れの所為で試せず、少々ウンザリしていたのだ。
(イイ加減、街ニデモ行ニタイノダガナァ……)
生体機械である彼は、オイルと普通の食事のどちらも取れる為、久しぶりにビーフステーキが恋しくなって来ていた。何時までも携帯食料では味気なさすぎる。
(……牛肉ガ食イタクナッテキタ……クソ……)
しかしいくら毒づこうとも、ビーフステーキが目の前に現れてくれる訳ではない。決心した彼は、迷ってもいいからとにかく進み続ける事に決めた。
―――しかしその矢先、聞き慣れたウンザリする足音が聞こえてきたのだ。
(マタ人間カ……俺ガソンナニ珍シイノカ……?)
今度は数人では無く一人のようだが、今の彼にとってみれば数が多かろうが少なかろうが関係なく
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ