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ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第30話 借金?借金?また借金!?
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あー」

 モンモランシ伯が、納得の声を上げました。私もその気持ちは良く分かります。公爵が腰を下ろすと、馬車のドアが閉められ動き出しました。

「ギルバートが居ないようだが、如何したのだ?」

「逃げました」

 公爵が私に聞いて来たので、私は間髪いれず答えました。

「何!? 理由は?」

「問い詰めましたが、口ごもるばかりで答えてくれませんでした。公式の場が嫌だったのでしょう」

「侯爵家の嫡子になるのに、それはいかんな」

 伯爵の評に公爵が頷きました。私もそれには同感です。

「あの」

 意外な事に、ここでアナスタシアが口を開きました。

「何だね?」

 公爵が優しく問いかけます。

「……アンリエッタ姫に、会いたく……ないって、言ってました」

 慣れない人の前で緊張したのか、アナスタシアがたどたどしく口を開きます。私的には褒めてあげたいのですが、その内容がよろしくありませんでした。伯爵は渋い顔をします。そしてそれは、私の顔も同様だったでしょう。よりにもよって、自国の姫に会いたくない等と言う、馬鹿が居るとは思いませんでした。下手をすれば不敬罪ですよ。

 しかし、公爵の反応だけは違ったのです。

「あっ……、あー。そう言う事か」

 どうやら公爵だけは何か知っている様です。

「何か知っているのですか?」

 私の質問に、公爵は答えにくそうにしています。

「何か知っているなら、答えてあげても良いんじゃないか?」

「教えて」

 伯爵とアナスタシアの加勢を得て、公爵が渋々と言った表情で口を開きました。

「アンリエッタ姫が陞爵式に出席するから、ギルバートは出られん」

「何故?」「え?」「ほう」

 私達の反応を無視して、公爵は説明を続けました。

「今年の5月(ウル)に、アンリエッタ姫が国王の壺を割って逃亡した事があって、王宮外に逃げたと大騒ぎになったのだ」

 伯爵はその話を聞いた事があるのか、頷いていました。

「……しかし逃げだ先は、外では無くギルバートが居た王宮資料庫だったのだ。姫はギルバートを脅して、王宮資料庫に隠れていた。それをギルバートが、我々に報告したのだ。その際姫に王族としての自覚を持たせる為に、ギルバートが姫をかどわかした犯人として、姫の前で逮捕して見せた。姫にギルバートは、チェルノボーグ監獄に居ると言ってある」

「「「……………」」」

 あまりな内容に、私達3人は絶句してしまいました。しかし、話は更に続きます。

「その事件の後は、姫も王族としての自覚を持ったのか、お転婆ぶりが鳴りを潜め姫に近い家臣たちは大変喜んでいる。……かく言う私もその1人だ。だがその事件の後、姫が笑わなくなってしまって
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