飛将軍来る
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いていた恐怖が霧散した。
冷えた頭で華雄の最期を思い出す。自分が決めた覚悟も同時に。
「憎しみから俺を殺すのか?」
無意識の内に口を突いて出たのは疑問だった。
「……恋は皆を守る。それが華雄のため。ただ――」
そこかしこに飛ばされていた殺気は収束しはじめる。俺に向けて一つの槍のように。
「――お前は恋が殺したい」
向けられる想いは純粋な憎悪。俺が受けてしかるべきモノ。
瞳に映る昏い炎を真っ直ぐに見つめる。
「そうかい」
ゆっくりと剣を上げ、構えを変え、
「すまないが、まだ死ねないな。先の世に想いを繋ぐために」
一層強くなる気当たりに圧されそうになるが目を逸らさず耐え、
「三体一だが怨むなよ?」
前までなら渦巻いていたはずの感情を凍らせ、ただこの場を生き残る為に思考を開始する。
「……誰がいても同じ。お前達はここで死ね」
その言葉を皮切りに四人が同時に動き出した。
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