飛将軍来る
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を聞かせなさい」
「これから田豊の指示で劉備の将が動くと思われます。もし我が軍の後背に呂布が来た場合どうしますか?」
「その時は陳宮と合流させるための道を作りなさい。後に虎牢関に向かうであろう孫策にも再度痛手を与えてもらう」
袁術の被害に見合う形で。一番乗りなど呂布の被害に比べれば安いものだ。
後方に抜けさせず、洛陽までの追撃で力を削ぐほうがこれからのために何倍もいい。
虎牢関を抜けた後は関がないので馬超と公孫賛がよく働いてくれるでだろう。
こうすることによって洛陽に着いた時に我が軍が連合において被害が少ない部類に入り、且つ張遼と当たる確立が増える。
張遼さえ手に入ればこちらにとっては最大の功なのだから問題ない。
呂布が洛陽まで辿り着いたとしても隊が少数ならば簡単に押し付けられる。
ふと見ると桂花が恐怖と歓喜の入り混じった眼で私を見つめている。私の思考の先を読んだのか。
「桂花、私の軍師ならば私の考えを全て看破してみせなさい。そうして初めて私の王佐足りえるのだから」
「はい! 生涯掛けましても必ず!」
いい返事。できればこの子のために袁家の呪縛から田豊も救ってあげたい。
それはまだ先になる、か。
先に向かう思考を続けながら今の自軍の戦況にも目を向ける。
予想より陳宮の用兵が上手い。もう少し時間が欲しい。
「沙和の部隊も出なさい。真桜と凪に合わせるように動き、一度押し返しても構わない。桂花、春蘭と秋蘭の部隊への指示は任せるわ。私は三人の補佐をする」
「「御意」」
さあ、ここから今回の戦場という生き物はどう動くのか。
†
「うっわ、あれ無理じゃない?」
遠くで人影が飛ぶのを見て戦慄し、恐怖を悟られないように軽く言葉を吐く。
「何言ってんのさ張コウ。あたいたちが止めなきゃ誰が姫を守るのさ」
「文ちゃん、今回は袁術軍の補佐だよ」
「ばっか斗詩! ここでやっつけちまえば終わりじゃんか!」
ため息混じりに諭す顔良を豪快に笑いながら根拠も無しに跳ね返す文醜。あんたがバカだよ。あれは無理、格が違いすぎるんだから。
「まあ時間さえ潰せばいいし三人で稼ごうか。ね、顔良」
「うぅ、正直不安しかないよちょこちゃん」
「二人とも気合が足りないぜ?」
「はいはい、どうせあたしはいつもやる気ないよー」
不安しかないのは同意する。秋兄達が来るまで持つかも分からないのだから。かと言って二人を見殺しにだけは絶対にできない。
この状況を読んであたしたちの袁術軍配置を夕に指示した七乃に怒りが湧く。
七乃め、お前はどっちの味方なんだ。ああ、ただ公路の味方なだけだった。
「りょ、りょりょりょ呂布だぁぁぁ!」
思考に潜っていると兵の絶叫が聞こえた。ついに袁術軍中軍まで到達したか。
重たい
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