飛将軍来る
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きくなっていると少しでも油断させるためか。
わざと情報開示しなかった狙いはなんだ?
いや、今はいい。来てしまったものに対応しなければ。
俺たちの陣は曹操軍側の後ろ。簡単に抜かれる事はないだろう。それより袁紹軍よりに戦力を集中するべきかもしれない。
胸騒ぎがする。最強の武が近いからかもしれない。ふいにシ水関での夕の言葉が甦る。
『曹操軍でも抜かれる』
脳内で響くその言葉に若干の焦りを覚えながら俺は自分の部隊を整えに向かう。
着くとすでに集合していた部隊に面喰らうも、愛紗が説明をしてくれる。
「秋斗殿、あなたの部隊は徐晃隊副長が整えてくれましたよ」
副長は本当に頼りになる。義勇軍の時からずっと一緒に闘ってきた仲だしな。
「副長、ありがとう。じゃあ――」
「袁紹軍から伝令! 呂布への対応のため関羽、張飛、徐晃三将軍は少数部隊を率いて至急袁紹軍が陣前に移動されたし!」
兵に指示を出そうとしたら急ぎの伝令が俺たちに告げた。
拒否権はないだろう。使いっぱしりも楽じゃないな。
†
柵の強化は万全。神速が来るのを警戒していた将兵達の対応は完璧といえた。しかしやはり彼女も本物の武将。一筋縄ではいかない。
「ちぃっ! 読まれ取ったとしても対応速すぎやろ!」
春蘭の部隊と秋蘭の部隊で張遼隊の主力は抑え込ませているが若干押し込まれている。
二人の隊を相手にここまで押し込める用兵などそうはない。彼女の実力に感心しながらも隣に控える春蘭に指示を伝える。
「春蘭。張遼の意識を引き付けてきなさい。あなたならできるでしょう?」
「はっ!」
あの子に引き付けさせて秋蘭で周りの対応を。
「凪、真桜は最右翼の援護に向かいなさい。出過ぎず、徐々に押し込まれて戦線をじわじわと下げること」
「「御意」」
張遼が引くまで持たせるだけでいい。その後は陳宮率いる部隊の相手。凪達のいい経験になるでしょうね。そのため各隊には防御主体で指示を出してある。
「華琳様。呂布隊が孫策軍を蹂躙しています」
「そう、抜かれた先は袁術の陣。数だけは多いのだから時間稼ぎくらいにはなるでしょう」
袁術にここで死なれては困るがあの張勲がいる。確実に何か手は打っている。
孫策軍は味方にして使えているうちはいいが目の上のコブ。あらゆる手を尽くして内部事情を調べているはず。今回の事も情報が入っているだろう。
だがひっかかる。何故もっと奥に下がっていないのか。そうか……わざと被害を受け孫策を安心させる気か。元が袁家の戦、袁紹軍も噛んでいるのか。麗羽は別としてあの田豊が手を組んでいないわけがない。
まだあれらに退場されては困る。
あの二人にはもっと働いてもらう。内部の腐った林檎の除去を私の代わりにさせなければ。
「桂花、あなたの予想
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