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銀河英雄伝説〜ラインハルトに負けません
第百六十五話 美味しい罠
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を堅持しても、同盟の国力増強に手を貸すだけだわ、そうしないためにも、同盟軍の主力をイゼルローン要塞で磨り潰させる。そしてツヴァイはその為に作ったのだから」

テレーゼの話に皆が頷いた。

「其処で刑務所に収監されているオッペンハイマー中将を減刑してカプチェランカ基地に左遷した挙げ句に捕虜にさせて情報あげるし、フェザーン商人からの情報とかを流すわ、複数のルートからの情報ならば同盟は焦るわよ」

「殿下、失礼ですが、同盟が易々とそれに乗るかが肝要ですな」
熟考したケーフェンヒラーが問題点を指摘した。

「其処で餌を与えるのよ。非常に美味しくて手を出さざるを得ない餌をね」
「殿下其れはいったい何でございましょうか?」

「私よ」
「私と申しますと?」
状況が判らないリヒテンラーデ侯は再度聞き直す。

「だから、銀河帝国皇女たる私が皇族として初の、イゼルローン要塞訪問を行い、イゼルローン要塞で戦う者達を慰撫する訳よ」
「確かにそのお話はお聞きしまたが、其れはお忍びであったはず。しかも敵を誘引するのであれば、臣は殿下の訪問を反対致しますぞ」

「駄目よ、誘引する以上は、大々的に宣伝しなきゃ。それにイゼルローン要塞に行ったら。新年には全銀河に流す大々的なGIO48の新春ライブを敢行するのよ」
「殿下、其れは」

皆が再度唖然とする中、テレーゼは話し続ける。
「慰問の意味も有るし、帝国臣民の不満を少しでも発散させなきゃいけないから」
「慰問をすれば、イゼルローンの兵達の士気もあがるの」

フリードリヒ四世とテレーゼのみが和気藹々としている中、他の参加者達は驚愕の表情で諫めようと考えていた。

「大丈夫よ、ツヴァイの必殺技シュテルンブレッヒャー(星砕き)、同盟語だとスターライトブレイカーになるかしら、其れを使えば大半の敵艦隊はズタボロに出来るわ。それに、増援はオーディンから出すけど、真の増援はアムリッツァで訓練中だから、黒狐に知られても訓練未了の艦隊と映るわ」

皆が何か言いたそうであったが、テレーゼの凄みがまして絶対にご自身の安全を第一として頂くと言う事を決めただけで、納得するしかなかった。

尤もテレーゼは心の中で、焦っているロボスをフォークとホーランドが突っついて、スタンドプレイで最高評議会へD戦場のワルツ作戦を上申して実施を迫るはず。その文面は“イゼルローン要塞を奪取し銀河帝国皇女を捕虜として帝国に降伏を迫る”辺りかしらと、そして頑張れアンドリュー・フォークと、ほくそ笑んでいた。

テレーゼはご機嫌であったが、このせいで、ケスラーの白髪が増え、リヒテンラーデ侯の皺が増え、ブレンターノが胃薬愛好家と成ったのは仕方のない事と言えた。

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