8夢
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昨日と違い、今日は収穫があった。
姫の家に行ったところ、聞き込みに来ていた警察と会い、親友と言うことで事情聴取された代わりに情報を得ることができたのだ。
まず、バラバラにされたのは殺された後。
姫の直接的な死因は、内蔵を潰されたこと。
不可解ではあるけれど、内蔵が潰れた理由は殴られたとか蹴られたとかの殴打ではなく、包丁か何か鋭利な刃物で刺されたことらしい。
皮膚には傷1つついていないと言うのに。
「獄寺夫人、どう思う?」
「…………」
「おーい、獄寺さーん?」
「……あ、ごめん。考え事してた」
「獄寺のこと?」
「ちっがーうっ!」
からかい甲斐あるなぁ、やっぱり。
それはさておいて。
クロームがいるわけだから、まぁ内蔵が潰れるって所は不思議ではない。
けど、どうやったら皮膚を傷つけずに内蔵だけを刺せるんだろう?
「あ、鎌鼬は?」
「鎌鼬……って、それは空想の生き物でしょ!」
全くこの人は真面目に考えてるんだろうか?
それに、鎌鼬だったら皮膚も傷つくでしょう!
「はぁ」
思わずため息が出てしまう。
ふと、さっきの姫のお母さんの様子を思い出した。
姫はポーカーフェイスが苦手だけど、それはお母さん譲りの様だ。
悲しそうに事の顛末を話す彼女は、確かに笑っていた。
目は悲しんでるのに、口が笑ってる。
声は震えているのに、口調が笑ってる。
まるで、姫が死んだことがとても嬉しいことであるかのように。
気になるけど、同じ人にまた聞いたってなんの意味もないし……。
「ねぇ、姫のお兄ちゃんに聞いてみない?」
どうやら獄寺夫人も同じことを考えていたらしい。
私は、姫に教えてもらった番号をプッシュした。
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