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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
ALO
〜妖精郷と魔法の歌劇〜
Last Fight
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『──────────ッッッ!!!』
ギャアアアァァァァァ────ンンンン!!!!!
世界を二つか三つ、余裕でぶった切れるような力の塊が、眼球の角膜上空一ミリのところで停止した。
強引に中断されたエネルギーが行き場を失い、アルヴヘイム北西の大空に半径数百キロの風穴を開けた。その時、ALOの予備サーバの一つを潰したが、それは後のことである。
『……g;ljsナンデ、止めるンだ………狂怒』
しゅうしゅうと、今にも消え入りそうなその声に応えたのは、心の深淵に潜むもう一人の《鬼》だった。
『俺ェ?冗談言うんじゃぁねェよ。コイツを殺そうが、俺は何も感じねェ。だから俺ァお前ェになにもしてねェぜェ?』
『だったら………誰がしたって言うのさ』
震えた声。
しかし、レンはその答えはもう分かっていた。
『お前ェしかいねェだろ、バカが』
『……………僕は、マイにここまでしておいた奴を、殺さないっていうのか』
『カッカッカ、決めるのは俺じゃねェ。お前ェだ。』
『………………………………』
砕かんばかりに、奥歯が噛み締められた。
軋まんばかりに、拳が握り締められた。
そうしているうちに、手の中の純白の槍がゆらりと空に溶けるように消えていった。槍という形で外殻を構成している心意の力が、自らを空間内に留める力が必要である最低値を下回ったのだ。
内部に貯蔵されていたエネルギー群が一気に解放され、真っ暗闇の広大な空間の先に消えていく。
永遠で無限に続いているかと思っていた暗闇の先に、ビシリという音とともにヒビが入る。ガラガラ、と世界が崩壊していく音が耳朶を打った。
脳髄に、異常な脱力感が漂っている。
しかし、《痛み》は全く感じない。
レンの脳は、そんな段階をとうに超しているのだから。
《痛み》を感じるほどの神経など、とうに残っていないのだから。
ヒィヒィ、という《鬼》の啜り泣きが、静かに
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