第一部 --SAO<ソードアート・オンライン>編--
第六章 《圏内事件》
第42話 情報交換
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をそれぞれに配る(箸や小皿はいつも多めに持っている)。
キリトとアルゴはその小皿を受け取ったあとに、顔を見合わせて躊躇いながら「いただきます(ス)」と言って、おかずを口に運ぶ。
すると――
「………………」
「あの……美味しくありませんでした?」
食べたあと、黙ってしまった二人に心配そうに聞くシリカ。
そんなシリカの言葉に二人は首を横に振る。
「そ、そんなことないぞ、シリカ! 美味しいから、つい……」
「オイラもダ。この前より腕をあげたナ、シーちゃん。今度、店でも開いてみたらどうダ?」
「え、遠慮しときます……」
断りつつ、二人に美味しいと言われてシリカは安心したようだ。二人の感想を聞いてから、食べ始めたシリカに続き、俺も食べ始める。
――うん。卵焼きも、ちゃんとダシの味があって美味い。おにぎりも塩加減バッチリしていて、文句の付けどころがなく美味しい。
「……なあシリカ。一つ聞いていいか?」
俺と同じようにおにぎりなどを食べていたキリトだったが、何か疑問にあった所があるらしくシリカに話しかけた。
「なんですか、キリトさん?」
「この卵焼き……ダシが入ってないか?」
どうやらSAOではあまり食べられない、ダシの味に疑問を感じたらしい。
「はい。シュウさんが釣ってきた魚を使ってダシを作って、それを入れてみました」
「じゃあ――」
ダシの疑問が解けたら、まだ聞きたいことがあるらしく再びシリカに質問をして「あ、それはですね――」と、聞かれたことを丁寧に答えるシリカたちを横に、俺はアルゴとの情報交換を開始した。
「ほらアルゴ。これが迷宮までのマップとこないだ頼まれていた情報だ」
「ありがとウ。シュウ助。……ヨシ。ちゃんとオイラが頼んでいた通りの情報ダ」
送ったデータを確認して、笑顔でお礼を言ってくるアルゴ。
「それは良かった。一日中ずっと見張っていた甲斐があるよ。……でも、もう勘弁だからな」
俺が毎回アルゴに伝える情報は、主に俺たちが集めたマップデータと危険な場所の情報がほとんどだ。
しかし今回は違った。
――発端はクリスマスのキリトの尾行。あれでアルゴは俺たちの《隠蔽》スキルが高いことが分かったらしい。
その為、三日前の夜にアルゴから俺たち宛ての『仕事を手伝ってくレ』というメッセージが送られてきた。
その内容は『あるギルドの行動を一日見張って、オイラに教えてほしイ。手伝ってくれたら、後日三万コルを渡すヨ』とのことだ。
まあ個人的な感想として、アルゴからのメッセージに書かれていたギルドからして、内容の危険度は三万コルでも足りないと思ったのだが……そこは友達の頼みということもあり、文句は言わな
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