第三幕 日本に来てその十一
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「皆この部屋にいようね、おトイレや食堂に行く時以外は」
「皆でなの」
「そう、皆でね」
この客室にいようというのです。
「そうしようね」
「わかったわ、そうしてなのね」
「皆でいれば嵐も怖くないからね」
だからだというのです。
「落ち着いてね」
「それじゃあ」
「僕達も」
皆先生の言葉を受けて落ち着いて嵐を待ちます、嵐は来ましたが船は何とありませんでした。揺れはしましたが。
揺れてもでした、特に何もなく。
先生は相変わらず本を読んでいます、それで皆に言うのです。
「お昼御飯の時になったらね」
「皆でだね」
「食べに行くんだね」
「うん、皆船酔いはしていないね」
「これ位の揺れなんて普通だからね」
「何ともないよ」
皆いつも先生と一緒に旅をしてきてその間何度も揺れを経験してきています、ですからこの程度の揺れはなのです。
「これ位はね」
「どうってこともね」
「そうだね、今更ね」
先生も落ち着いたものです。
「じゃあいいね」
「ゆっくりしていようね」
「今も」
皆も揺れる中でも落ち着いていました、それで左右に揺れることをかえって楽しみながら。
ぐっすりと寝ました、そして起きますと。
もう嵐は過ぎ去っていました、窓の外はとても晴れていて海も穏やかです。船は二つの青の間にあります。
その窓の外を見つつです、先生は皆に言います。
「さて、多分日本にはあと少しだよ」
「あと少しで着くね」
「そうなるんだね」
「そうなるよ、じゃあ今はね」
「今は?」
「今はどうするの?」
「甲板に出ないかい?」
皆をお部屋の外に誘うのでした。
「そうしないかい?」
「甲板?そこの席でなんだ」
ガブガブが先生に言ってきます。
「お茶にするんだね」
「そう、ティーセットをたっぷりと用意してね」
そのうえでだとです、先生もにこりと笑ってガブガブに答えます。
「青い空と海を眺めながら楽しもう」
「紅茶とお菓子をなんだ」
「そうしないかい?」
「そうだね、お部屋の中にいてもいいけれどね」
ガブガブは先生の提案に弾む様になって答えます。
「お外に出て楽しくやるのもいいからね」
「そうだね、嵐も過ぎ去ったし」
「日本に着く前にね」
「楽しくやろう、外でね」
そのティーセットをだというのです。
「そうしよう、皆で」
「よし、それじゃあね」
「皆でね」
皆も先生の提案に笑顔で賛成しました、そうしてでした。
皆で船の甲板、そこにある席でティーセットを楽しみます。紅茶にケーキ、サンドイッチにスコーンを楽しみます。
先生は席に座ってミルクティーを飲みます、そのうえでこう皆に言うのでした。
「日本でも飲みたいね」
「紅茶をだね」
「イギリスにい
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