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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
無印編
第二十八話 決戦前夜
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ら赤みが引いたアリサが大きく息を吐き、なのはに向き直った。

「で、なのはは少しは吹っ切れたの?」
「ふえ?」

 アリサのいきなりの言葉になのはは驚いた表情を浮かべる。

「何を悩んでたのかも、なのはが話してくれるまで聞かない。
 でも不安そうだったり、迷ってたりしてた時もう私達のところに帰ってこないんじゃないかって思うようなそんな目を時々してた。
 それがその……」

 アリサも言葉にはし難いのだろう。
 あの時のなのはは迷走し、そのままどこかに消えてしまいそうだったのだから。
 すずかもアリサと同じ気持ちだったのか、どこか寂しげになのはを見ている。

「大丈夫。行かないよ、どこにも、友達だもん」

 目に浮かんだ涙をぬぐって、アリサとすずかに語りかけるように答える。

 なのはの迷いのない言葉。
 それにアリサもすずかも笑みを浮かべて頷いている。

 明日は最後になるなのはとフェイトの戦いが待っている。

 だけど全てうまくいかせてみせる。

 それが俺の役割

 そこからは互いに言葉はない。

 だけど夕焼けに染まった三人の表情に影はなく、ただ共にいる事を楽しんでいるようであった。

 そのまま静かな平穏な時間を過ごす。

 このままこの平穏を過ごしていたい。
 だがもう時間だな。

「なのは、そろそろお暇しよう」
「うん。お母さん達も待ってるしね」
「そうだね。私もそろそろ」
「うん。外まで送るわ」

 三人共惜しみながらもまたこの時間を過ごせる事をわかっているように不安もなく椅子から立ち上がり、歩きはじめる

 と一つ伝え忘れていた。

「アリサ頼みがあるんだがアルフ、あの犬を引き取っていいか?
 今回の件に関係ある娘が飼い主だから」
「いいわよ。あんたも何も聞かないけどちゃんと帰って来なさいよ」
「心得ているよ」

 俺の言葉にアリサは満足そうに頷き、玄関までアリサに送ってもらい、鮫島さんがアルフを玄関まで連れてきてくれた。

「元気でね」

 アリサはアルフを撫で、別れをすませる。

 そして、俺となのは、ユーノ、アルフは共に帰路についた。




side アリサ

 手を振り、なのは達を見送る。
 なのはは大丈夫。
 ちゃんと帰ってくる。
 だけど

「アリサちゃん、大丈夫?」
「うん。大丈夫」

 すずかも私と同じことを考えていたのか、少しだけ寂しそうな笑みを浮かべた。

「士郎君……だよね」
「うん」

 あいつの事はまだ不安だった。
 笑い合う私達。
 その中にいて、どこか自分がまるで傍観者のように一歩引いて見ている時がある。

 まるで気が付いたら陽炎のように消えてしまい
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