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ネギまとガンツと俺
第19話「惚れ薬」
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たつもりだったのだが、クーはそんな言葉もお構い無しに詰め寄る。

「じゃあ早速、手合わせでもどうアルか!?」
「は?」

 いきなりの言葉に目が点になり、首を傾げてしまう。

 というか、誰でもそうなるだろう。いきなり部屋に入ってこられて、起こされたと思ったらその第一声が「手合わせ」だ。むしろ理解できるほうがおかしい。

 説明を求めるように後ろの二人に目を配ると、彼女達が頷き、口を開いた。

「……いや、京都で少しあって」

 まずは楓が気まずそうに言う。

「少し先生の話になって」

 続けて真名が。

「……大雑把に実力者だと伝えたら」
「急に手合わせをしてみたいとこいつが言い出して」

 二人して交互に口ごもる。そのため視線も次々と動かさなければならないため少し面倒くさい。


「ということアル!」

 最後をクーが締めて、彼女達の説明が終わる。

 詳細はぼかしてあったため、経緯は分からなかったが、とにかくなぜそうなったかは理解できた。ただ、一つだけ。タケルには全く理解できないことがあった。

「……俺は実力者じゃないんだが?」

 彼としては当然のこと。

 魔法は使えない、気も使えない。楓やエヴァのようにスーツなしで星人と戦うことなどできない。そんな彼が実力者など、正直に言ってタケルからすれば迷惑な勘違い以外なにものでもない。

 だが、そんな思いを彼女達が知る由もない。

「……タケル殿。そんなに隠そうとしなくても拙者たちは誰にもいわないでござる」
「大和先生。私も楓と同じ気持ちだ。プロとして隠しておきたいのは分かるが、最早ばれている人間にまで隠すことはない」
「カエデもマナも言ってることだし、早速一手どうアルかっ!?」

 どうやら、彼女達にとってタケルが実力者であるという意識は覆せないようだ。

「……聞く耳持たない、か」

 小さくため息をつく。

 だが、だからと言って、タケルは諦めて手合わせをするような人間では決してない。むしろ適当な嘘をついてでも逃げる面倒くさがりな側の人間だ。

「……」

 さぁ、さぁと、迫ってくるクーに、タケルは無言で答える。少し考えるような間をおき、何か思いついたのか、「わかった」と顔をあげた。

「少し着替えるから部屋の外で待っててくれないか?」
「わかっ――」
「――いや、それには及ばない」

 頷こうとしたクーを遮り、マナが言葉を続ける。

「私達が出ている間に窓から逃げられても困る」

 おそらく、図星だったのだろう。ピクリとタケルの頬が動いた。彼女はそれを横目に見やり、かすかに微笑み、窓際に移動。

「目を閉じているから、その間にでも」

 ――どうあっても逃がすつ
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