Introduction
第三話 邂逅
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うこと言われると照れるんだけど……、ていうかあなたってそういうキャラだったのね」
何やら顔を赤くしてしまった。……もしかして照れてる? だとしたら彼女には搦め手よりもこういった正面突破のほうが有効なのかもしれない。
「……その、私はどういう人間だと思われていたんですか?」
せっかくなので聞いてみる。楯無さんの僕に対する印象、考え方を知るいい機会だ。うまくいけばどこまで僕のことを把握しているのかわかるかもしれない。
「ん〜、典型的なお嬢様。……の皮を被った実は腹黒いお姫様」
身も蓋もないことを言われてしまった、ちょっとショック……。いや、ある意味では的を射ているけど。
「そ、それはさすがに酷いですよ……」
「あはは、ごめんね。なんて言うのかな、自己紹介の時のあなたを見てて、典型的なお嬢様だって思ったの。それこそ、お嬢様というのを想像したらこうなるだろうなっていう、典型的な、ね」
「…………」
やはり……危険だ、この人は。
わずかな時間の間に僕の本質にどこまでも近づいている。
「それが第一印象。気を悪くしちゃったらごめんなさいね? でも今日一日で大分変わったわ、というより所々でいろんな一面が見れて飽きないもの。簡単に言うと私もあなたのこと気に入っちゃった」
「それは……光栄です」
……人のこと言えないな、僕もこう真正面に向かってこられるのに弱いのかもしれない。周りの人間にはほとんどいなかったしね。束さんくらいか……束さんにある意味頭が上がらない理由がちょっとわかった。
完全には気を許すことはできないけど少しくらいは信じてもいいかもしれない。
「さて! 引き止めて悪かったわね。疲れてるでしょうし、シャワーでも浴びてきたら? 私はもう入ったから遠慮しないでいいわよ」
シャワー……、確か個室だったはず。なら鍵をかければ問題ないかな。大浴場があるらしいけど、そんなの使うわけにはいかないし。
「そうさせてもらいますね」
そう言って僕は、部屋に届いていた荷物から寝間着や必要なものを持ってシャワーに向かう。
鍵は確実に……と。こんなところで油断してバレるのだけは洒落にならない。
「……ふぅ」
制服を脱いで下に着込んだISスーツだけの姿になる。
束さん曰く、そのままシャワーを浴びてもいいらしいがさすがに脱げるときは脱ぎたい。
この……胸も慣れないし、早く外したい。
「……し〜の〜ん〜ちゃん!」
「キャーー!」
いきなり後ろから胸を鷲掴みにされた!
慌ててその手の主を見やると……楯無さんがいた。
「な、何してるんですか! というより鍵かけたはずですよね!?」
「せっかくなのでスキンシップをと思って。
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