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特殊陸戦部隊長の平凡な日々
第5話:ハイジャック事件−5
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全ての発端だったのであろう。
ティアナに尋ねられたゲオルグはニコッと笑って身を乗り出す。

「これな、実はなのはが作ったんだよ」

「えっ、そうなんですか!? 全然そんなふうに見えないですよ。
 てっきりどこかのお店で買ってきたものとばかり・・・」

「俺もさ、そうなのはに聞いたんだよ。
 そしたら、ティグアンのおやつに作ったっていうからさ、驚いちゃったよ」
 
そう言うゲオルグの顔は自慢げな笑みが溢れていた。
その表情を見てティアナはちょっとした嫉妬を覚える。
ゲオルグにではなく、なのはに・・・。

「へぇ、すごいですね」

ティアナはささくれ立つ内心を覆い隠すように笑みを浮かべて言う。

「まあ、お義父さんから教えてもらったらしいんだけどな」

「なのはさんのお父さんって・・・ああ、喫茶店をやってるんですよね」

「そうなんだよ。 帰省するたびにいろいろご馳走になるんだけど
 これがまた美味くってさ」

「いいなぁ、私もなのはさんのお父さんのお菓子は何度かいただきましたけど
 すっごく美味しいですもんね」

話題がなのはの父親のことに移り、ティアナの心は少し平静を取り戻す。

「ところで、ティアナ。 お前、本当にウチに来て大丈夫か?」

ゲオルグが発した言葉の意味するところが理解できず、ティアナは首をかしげる。

「どういうことですか?」

「いや、だから・・・ウチは忙しい時は昼夜なくなるから、
 恋人と2週間会えないなんてことも結構あるからさ」

気遣うような表情でティアナのほうを見ながらゲオルグが言うと、
ティアナは苦笑しながら手を振る。

「いえ、その心配はありませんって。
 だって、お付き合いしてる人なんかいませんから
 そんな暇もありませんし・・・」

ゲオルグはティアナの言葉を聞くと、目を見開いて驚きを表現する。

「マジか!? もったいないなあ。 ティアナはカワイイし真面目だから
 絶対にモテると思うんだけどなぁ」

「ホントですか? 担いでません?」

ティアナはゲオルグの褒め言葉を受けて僅かに頬を染める。

(ゲオルグさんにカワイイって言われちゃった。 どうしよ。かなり嬉しい!)

「そんなわけないって。 なあ、好きな奴もいないのか?」

ゲオルグに尋ねられ、ティアナはなんと答えたものか逡巡する。

(どうしよう・・・いっそ、あなたのことが好きですっ!
 って言っちゃおうかしら・・・)

だが、ティアナはそこで踏みとどまった。

(ううん、ダメよね。 ゲオルグさんにはなのはさんがいるんだし・・・)

「・・・いないこともないんですけどね」

「なら、思い切ってアタックしろって! きっとお前のことを
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