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特殊陸戦部隊長の平凡な日々
第5話:ハイジャック事件−5
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す。
数分してカップに入った2杯のコーヒーを持ったゲオルグが、
ティアナの向かい側に座る。

「どうぞ」

「すいません・・・」

ゲオルグはテーブルの上のコーヒーをひと口飲むと、真面目な顔を作る。

「で、何が判ったんだ?」

ソファの背に身体を預け、足を組んだゲオルグが尋ねると、
カップを抱え込むように持ってコーヒーを飲んでいたティアナは
慌ててカップをテーブルに置く。

「慌てなくていいぞ。 時間に追われてるわけじゃないからな」

慌てて口の中のコーヒーを飲み込んだせいで咽ているティアナを気遣うように
ゲオルグは苦笑しながら声をかける。
しばらくして、咳が収まったティアナはテーブルの上の端末を開いて話を始める。

「結論から言えば、ゲオルグさんの推論はあたってました。
 次元航行船を乗っ取ったグループと狙撃を実行したグループの双方から
 次元航行船の乗っ取り計画を持ち込み、具体的なプランを指南した者が
 存在したという証言が得られています」

「やっぱりいたか。そいつの情報は?」

ティアナの言葉に頷きながらゲオルグが尋ねると、ティアナは眉間に
少ししわを寄せた難しい顔で首を横に振る。

「大したことは判っていません。 判っているのはその人物が男性であること、
 そして乗っ取り犯たちから"旦那"と呼ばれていたこと。
 あとは、その人物が言葉巧みに犯人グループに乗っ取りこそが目的達成に
 最も適した手段であると誘導したことぐらいです」

「目的とは?」

「それを話していませんでしたね。
 彼らの目的は管理局によって収監されているかつての仲間を釈放させることです」

「ま、そんな事だろうと思ったけどな」

ゲオルグはわずかな嘲笑をその声に混ぜつつ話す。

「それで、その"旦那"とやらの指南した乗っ取りプランってのは?」

ティアナは、えーっと・・・と声をあげながら端末を慌ただしく操作し始める。
しばらくすると、その手を止めて顔をあげた。

「次元港のセキュリティには穴があったようです。
 その穴を突く形で武器を船内に持ち込んだようですね」

ティアナが端末の画面をゲオルグの方に向けながら言うと、
ゲオルグは画面の中にある図を凝視する。

「ミッドの中央次元港では、自宅から発送した荷物をそのまま搭乗する次元航行船に
 搭載するサービスが行われています。
 通常は搭載直前にセキュリティチェックが行われるので何の問題もないんです」

「そうだな。 俺も何度も使ったことがあるよ」

ゲオルグがコクコクと頷くと、ティアナは微笑を浮かべた顔をゲオルグに向ける。

「私もです。で、先を続けますね。
 あまり知られていないことですけど、この
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