Introduction
第二話 ルームメイト
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いたから、そのまま出ちゃったわ。改めてよろしくね、紫音ちゃん」
楯無さんも特に表情に変化を見せずそう言い放つ。……やはり喰えない人だ、これでは判断できない。どちらにしろ警戒はしておくべきだろう。
「こちらこそ、よろしくお願いします。楯無さん」
こちらも悟られないように、笑顔で返す。この『人たらし』とも言われる暗部当主にどこまで効果があるのかはわからないが……。
「な、なんか空気がおかしい気がするッス、何事ッスか!?」
僕たちのやり取りの間ガツガツ目の前のランチを食べていたフォルテさんが、いきなり急に飛び上がったように騒ぎ出した。……空気が読めるのか読めないのかよくわからない人だなぁ。
昼休みが終わり、午後の授業が始まる。
お腹もいっぱいになり、眠くなる頃合いだが午前中の顛末を見ているこのクラスに再び死地に向かうような自殺志願者はいないようだ。滞りなく授業は進み、一日の最後となるSHRの時間となった。
「さて、初日がまもなく終わるわけだが、一つ決めなければならないことがある。このクラスの代表者だ。一般的な学校で言うところの学級委員長だと思ってもらって構わないが、このIS学園ではそれに加えてクラス対抗戦などにも出場することになる。自薦他薦は問わないが一年間は変更できないから慎重に選べ」
千冬さんからクラス代表の選出について説明が入る。
クラス対抗戦のように実戦の機会が得られるのは嬉しいけど、目立つのは避けたいし僕にはやる事もある。それにきっとフォルテさんや楯無さんあたりがうまくやってくれるだろう。
「はい、西園寺さんを推薦します!」
「わたしも〜」
そんな僕の思考を無視してクラスメートから推薦の声があがる。……勘弁してほしい。
「私はサファイアさんで!」
「当然、更識さん!」
予想通りの二人も同様に推薦される。助かった、これで僕が代表になる確率は少し減る。
というより、他に候補ができたなら辞退すればいいか。
「他にはいないか? 推薦された者は起立しろ、ちなみにこの時点での辞退は認めん」
先回りされてしまった……。
「う〜ん、私は生徒会に入る予定だからできれば辞退したいのだけど……ふふん、そうね」
楯無さんは何かを考える素振りを見せたあと僕に視線を向けながら、これは名案とばかりに切り出す。
「織斑先生、せっかくならこの三名で模擬戦をするのはどうでしょう? お互いの力量も計れますし、代表選出の方法には適切ではないでしょうか」
とんでもないことを言い出した。というより僕のほうを見て言ったのは気のせいではないと思う。秘密云々は置いておいて、意識されているのは間違いないか。
とはいえ、同学年の専用機二
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