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皇太子殿下はご機嫌ななめ
第42話 「ぼくの将来の夢 その2」
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ッテンフェルト少将がウェイターにそう言う。
 料理が来るのを待っている間、二人に将来の事を聞かれた。

「ラインハルトは、いま幼年学校だろう。卒業したらどうするのだ。やはり士官学校に入るのか?」
「しかしビッテンフェルト。卿はそう言うが、ラインハルトは幸運にも、宰相閣下の所にいるのだから、帝国大学に進んで、政治経済を学んだ方が良いのではないか?」
「そうかも知れぬな。宰相閣下の下にいるのだ。いずれは帝国の政治を担うかもしれん。その時のために武官ではなく、文官を目指すのも悪くはないか」

 二人が話し合っている。
 俺はどうすれば良いのだろうか?

「いっその事、国務尚書を目指すのも悪くないだろう」
「おお、国務尚書かっ。リヒテンラーデ候も六十を越えている。後を継ぐ者が必要だな」
「ラインハルト。目指してみてはどうだ? 下手に門閥貴族がなるより、ラインハルトがなった方が良いと思うが」
「うむ。ラインハルトは頭が良いしな」
「そうしろ。そうしろ」

 二人とも俺を無視して、一歩的に決めてしまう。
 勝手なものだ。
 しかし本当にどうするべきか?
 皇太子にも将来の事を考えておけと、言われているし……。
 悩む。
 そうこうしている内に、料理がやってきた。
 ビッテンフェルト少将のいつもの奴とは、豚肉と白いんげん豆の煮込みだった。やたら大きなソーセージが入っている。肉と同じぐらいだろうか……。
 どうやら大食漢らしい。よく食うものだ。
 ファーレンハイト少将はシンプルなステーキだ。
 そしてアリゴとは、これはなんだ?
 深皿の中に黄色っぽいものが、こんもりと盛られていた。
 チーズなのか?

「チーズとじゃがいもを混ぜたものだ」
「……そうなのか?」
「チーズとじゃがいもをひたすら混ぜて、つくるそうだ」

 フォークで掬ってみるとやたら伸びる。
 なんなのだいったいっ!!
 う〜む。切れない。
 細く伸びたアリゴをフォークに絡めて口に入れた。
 なんというか……チーズ・フォンジュぽいな。
 味は悪くない。
 しかし食べにくいぞ。喉に詰まりそうだ。
 二人が笑っている。
 腹立たしい。ちょーむかつくーって感じ?
 アリゴと格闘しつつ、腹に収めると、胃が重い。
 腹に溜まったという感じだ。

「はっはっは。ラインハルトには、ちときつかったか?」
「木こり料理だからな」
「知っていたなー」
「知らいでか」

 二人はしらっとした顔で、自分の分の料理を口に運んでいる。
 ううー苦しい。
 重いお腹を押さえながら、店を出た。
 二人とも司令部に戻るそうだ。
 俺は苦しみながら宰相府へと帰っていった。
 いずれ、お返しはしてやるぅ〜。

 ■ノイエ・サンスーシ 薔
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