第42話 「ぼくの将来の夢 その2」
[2/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
用も信頼もできる男だ。
彼なら良い知恵を出すかもしれんな。
■宇宙艦隊総司令部 ラインハルト・フォン・ミューゼル■
宇宙艦隊司令部にお使いを頼まれた帰り、ビュッテンフェルト少将とファーレンハイト少将のふたりとばったり出会った。
「よお、ラインハルト。飯でも食いに行かんか?」
あいも変わらず大きな声だ。
人を褒めるときは大きな声で、人の悪口はより大きな声で、とは少将の家訓だそうだが、それにしても大きすぎる。耳が痛くなるほどだ。
「ビュッテンフェルト少将“閣下”が“珍しい事”に、奢ってくれるそうだ。遠慮するな」
ファーレンハイト少将が“珍しい”と“閣下”の部分を強調している。
この二人、連れ立って食事に向かうほど、仲が良かったのだろうか?
正反対のような気がするのだが……。
「ただ飯を無視するほど、俺も人間ができていない」
「皮肉かっ」
二人の言い合いに頭を抱えたくなった。
意外と良いコンビなのかもしれない。
ビッテンフェルト少将に強引に、引きずられるように連れられ、やってきたのは踊る子うさぎ亭という定食屋だった。
こんな所に来るのは初めてだ。
店の中に入ると、騒がしい人の声が耳に飛び込んでくる。
こういうのを活気があるというのだろうか?
「さあ来い。遠慮するな」
ばしばしと背中を叩かれ、咳き込んだ。
うぬぬ、なんという奴だ。乱暴な。
「おいおい、ラインハルトは卿と違って、繊細なのだ。手加減してやれ」
「何を言うのだ。ラインハルトも立派な軍人だぞ。まだ幼年学校の生徒だが、これぐらいで根を上げるものかっ! なあ、ラインハルト」
「う、うん」
思わず頷いてしまった。
最近、女装ばかりしていて、こんな風に扱われる事がなかったものだから驚いたが、これぐらいは普通の事なのだろう。
ビッテンフェルト少将が大声で、ウェイターを呼んだ。
「俺はいつもの奴を頼む。卿らは何にするのだ?」
「うむ。この牛肉のソテー黒こしょう風味というのを貰おうか」
ファーレンハイト少将はあっさり決めた。
シンプルなステーキというのが、いかにもファーレンハイト少将らしい。
二人がジッと俺の方を見てくる。
こんな所に来るのは初めてだし、それにメニューを見てもよく分からない。普通の帝国料理ではないのか?
「このアリゴというのはどうだ?」
「アリゴ?」
メニューを見ながら悩んでいると、ビッテンフェルト少将がメニューを指差しながら言ってきた。
アリゴというのはなんだろう?
ファーレンハイト少将は笑みを浮かべている。
おかしな料理ではないらしい。
「では、そのアリゴを頼みます」
「うむ。ではそれを」
ビ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ