第八十一話 起源となすもの
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「グッ、こんな所で!」
『近接戦が不利だと判断してすぐに距離を取ることで射撃戦に切り替えるその思いっきりの良さは素晴らしい。流石は英雄、その判断は私にはそうそう出来んよ。しかし、このノイエ・ジールUにビーム兵器は通用せんぞ!』
キラのミーティアは貫かれてデッドウェイトとなった左側のアームを既にパージしており、一方でデュランダル議長のノイエ・ジールUはドラグーンを殆ど破壊されてしまっている。お互いに五分――――否、状況はデュランダル議長の方が若干ながらも有利に事が運んでいた。ストライクフリーダムはビーム兵装が多く、ノイエ・ジールUに有効なダメージを与えれるのはレール砲とミーティアのミサイル、後は近接武装位のものだ。
「でも、いくらビームを弾けると言った所でジェネレーターにだって限度はあるはずだ!」
そう言って右のアームの収束ビームを放つ。キラの言っている推測は正しく、継続的なエネルギーの充填が必要となるIフィールドの為にノイエ・ジールUは態々本体のジェネレーターとIフィールド用のジェネレーターを別々にしている。そして、120cmもの収束ビーム砲から放たれる高出力のビームは威力は高く、流石のノイエ・ジールUもIフィールドによって阻まれるとはいえ、その衝撃に一瞬機体が吹き飛ばされ傾く。
「今だッ!」
機体が傾いた瞬間を狙い、キラはミーティアとストライクフリーダムの武装を全面展開して猛攻を仕掛ける。ビームの豪雨、ミサイルの弾幕――――それらの数は普通に考えてたった一機の機体を仕留めるには過剰と言ってもおかしくない。しかし、デュランダル議長の実力も機体の性能も共に普通という枠からは大きく外れる。
『その火力は脅威的だな。だが、それで私を落とすにはそれでは趣向が足りん』
攻撃の殆どは直線的だ。ニュートロンジャマーが働いている現環境において誘導兵器などまともに機能するはずもなく、ミーティアやストライクフリーダムの武装が前面に対して施されている以上、全方位に向けた針鼠のような攻撃ではなく、正面へと集中させた攻撃にならざる得ない。故に、攻撃の向きは読みやすい。それはキラも分かっており、だからこそ体勢を崩す為に先にビームを命中させたのだが、それでは不十分だったようだ。
「逃がしはしない!」
『何!?』
しかし、ミサイルなどの一部の攻撃が予想を違えて回避した先に待ち受けるように放たれていた。それには流石の議長も予想外だったのか、この巨体での回避は不可能と断じ80ミリバルカンで最低限直撃コースとなるものを迎撃し、残りの数発は喰らう事を選択する。
何故、回避した先にミサイルが来たのか?その答えは簡単である。キラはマルチロックオンシステムを起動させ、あらかじめ回避コースを予測し、その先にミサイルを置く様に発射させたから
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