第八十一話 起源となすもの
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に敵が現れて戦闘が発生したことを知らされ悪態をつく。実際、今は敵対に近い関係とはいえ同じザフトの人間でありコーディネーターである。その彼らが戦闘を行っていると聞けば気分のいいのものではない。
「ま、どっちみちこうなっちまった以上はしょうがねえ……ん、何だ?頭の中をざらつかせるこの奇妙な感覚は……」
マーレは何か感覚的に異様なものを感じ取る。何かが、そう何か嫌なものがこちら向けているようなそんな感覚だ。例えるなら、銃口を突き付けられているその感覚。
「ッ!不味い!?ミネルバ、周りに対して回避行動を取る様に通達しろ!」
『え?マーレさん。急にどうしたんですか?』
その嫌な予感は全く拭えず、寧ろ不安が大きくなっていくばかりだ。これは確実にまずい。そう直感的に理解するのだが、何がまずいのかが全く分からないこともマーレにとって致命的なものだと感じ取る。
「早くしろ!死にたいのか!!」
『は、はい!?』
とにかく回避しろと訳も話さず警告したマーレに皆、当然のごとく訝しむが議長御膝元の人間ではなくなったとはいえフェイスの立場を持っているマーレの指示に従い、艦隊は移動し始める。その間もマーレに対する追及は当然あるが、マーレも確信めいた直感だとは言えず、要領の得ない返答に苛立つ者も出始めた頃、大方が移動を開始しだした辺りのタイミングだろうか。各々の艦隊の管制機関に警告アラートが鳴り響く。
『これは、まさか!?』
メサイアからネオ・ジェネシスが発射された。何なのか理解した者等は当然喚き立てるが、逃れるのに遅れた者は非情にもどうすることも出来ず、ネオ・ジェネシスによって殲滅させられる。
「やりやがった……あいつ等ッ!」
これは完全に宣戦布告と言ってもいい。もし逃げに入れば確実にメサイアからの追撃が来る。
「グラディス艦長!」
『分かっているわ。本艦はこれよりメサイアとその周囲にいるザフト軍に対して攻撃を仕掛ける。これは一方的な宣戦布告に等しいわ。それを赦してしまえば確実に追撃が来ることになる。撃たれたもの達の為にも決して今ここで引いてはならない!全軍、我に続け!先陣を切り拓く!』
ミネルバが最新鋭艦の名に恥じない速度で移動を始め、それに他の艦隊も続いていく。被害は思ったよりも少ない。ネオ・ジェネシスの威力がかつてのジェネシスよりも小さい事も理由の一つだろうが、最も大きな理由はマーレが警告したことだろう。
「アスラン、出撃準備は完了しているな。俺達が水先案内人になる!敵の露払いも含まれてんだ。突破口を開くぞ!」
『ああ、分かっている。アスラン・ザラ、セイバー――――出るぞ!』
予想だにしなかった不意打ちに多少の混乱はあるものの、概ね意思決定は成された――――メサイアの攻略、目
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