デュエルペット☆ピース! 第4話「SIN」(中編)
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に理由なんぞ必要ない!」
少年の叫び声を全身に浴びて、ガーネットが眼を閉じ、静かに首を縦に振った。
『あたしがあの球の中に入る道を作るから、合図したら飛び込みなさい。中で何があっても、とにかくアズちゃんを探すの。見つけて、励ましてあげて。それだけで孤立無援の戦いをするのとは、全然違うわ』
「……わかった!」
『よし、行くわよ……!』
言うが早いか、ガーネットの真紅の瞳から光が放たれ、黒の球体に照射される。光を受けた球体の表面が液状化して、波紋が急激に幾重にも広がった。
『飛び込みなさい! 波紋の中央よ!』
ガーネットの言葉と同時に、委員長が大地を蹴った。両腕で顔を庇うようにし、頭から球体めがけて突撃する。
―――じゃばぁっ
まるで着水の音。委員長の姿は、液体と固体の間をさまよう黒のエネルギー球の中に取り込まれ、消えた。
* * *
悪夢の中で、二人のアズが相対する。白と朱のアズは呆然と膝をついている。対する黒のアズは魔剣士に守られ、勝ち誇っていたが、異常に気付いて表情を曇らせた。
闇アズ
(これは……何者かがアズの心の領域に侵入してきた……? 誰だか知らないけど、この神聖なゲームを邪魔しようとするなんて……!)
憤りつつも、これまでのゲームすべてが自分の想定に沿って展開してきた中で、初めて生まれた想定外の事態に、闇アズサは焦りを覚える。
闇アズ
(アズの心の闇……悪夢の世界からは簡単には抜けられないはず……ここまでたどり着けるとは思えないけど……一応、勝負を急いだ方がいいかも……!)
闇アズ
『……さぁ、どうしたんですか? ゲームを進めてくださいよ。レスキューラビットで特殊召喚したカードはエンドフェイズに破壊される……このままだとヘリオロープがいなくなって、フィールドがら空きですよ?』
アズ
「あっ……く……」
アズは何とか自分を取り戻し、膝に力を入れて立ちあがる。眼前の自分が言う通り、デュエルはまだ途中なのだ。エースモンスターが使用できない状況でも、勝ち目があると信じて戦うしかないことは、彼女とて、十分承知の上である。
手持ちのカードを確認して、対策を練る。
アズ
「わたしは……カードを2枚セットして……ターン終了」
SET!
伏せカード×2
終了宣言とともに、二体の岩石戦士たちの身体がたちまち崩れ、砂と化して悪夢を吹く風に散らされた。
・闇アズサ(手札3 LP:4000)
《デュエルナイト・セイバー》ATK:2500・★4・ORU×3
・アズサ(手札3 LP:4000)
伏せカード×2
<ターン3 闇アズサ>
DRAW!
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