デュエルペット☆ピース! 第4話「SIN」(中編)
[12/19]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ことくらいは……』
『それは難しいでしょうね……あれはアズちゃんの悪夢でできてるから……介入したとしても、下手するとアズちゃんのほうにダメージを与えるわよ』
『しかし……このまま指をくわえて見ているわけには……!』
「そうだぜ! それにナイトはアズが戻ってきたら、また二人で戦わなきゃいけないだろ! だからあたしが行く!」
ナコが一歩踏み出し、名乗り出る。その言葉には有無を言わさぬ力強さがあり、先日の罪滅ぼしの意味を込めているのかもしれなかった。
だが、必死の申し出を、即座にガーネットが却下した。
『あんたはやめときなさい。ここ何日かで見させてもらったけど……あんたはデュエルの素質ゼロ。この間は運よく無事で済んだけど、うかつにデュエルピースの魔力に触れたら、最悪お陀仏よ。それに、そんな危険を冒すことは、アズちゃんも望んでないと思うわ』
「けっ、けど! じゃあ、どうすりゃいいんだよぉ……」
瞳を潤ませ、ナコの言葉が弱々しく萎えていく。その横で、やりとりを静観していた少年が、一人決意を固めていた。
「なら、俺が行く」
一人と二頭の注目が少年に集まる。委員長は、ガーネットを持ち上げ、自分と同じ目線まで持ってくると、レンズの奥から真剣な双眸を向ける。
「素質云々は分からないが、諸星より、可能性があるかもしれないだろ」
『メガネ君……あんた、わかってる? デュエルの素質ってのは先天的な部分が大きいの。仮に突っ込んでって、やっぱりあんたも素質ゼロだった、なんてオチだったら、本気で死ぬのよ?』
だが、委員長の瞳は揺るがなかった。それほどの決意が一体どこから出てきたのか、ガーネットはその根源をつかめず、戸惑った。
『正直に言わせてもらうけど、あんた、なんでそこまでするの? ナコはまだ分からなくもない。アズちゃんは命の恩人だからね。でも、あんたは? 昨日今日話すようになった子のために、命を危険に晒すなんて、分かりかねるわ』
「……そうだな。俺もよくわからない」
真剣な表情のまま、相当に彼らしくないセリフを吐いて、委員長自身が驚いているほど。しかしそれでも、決意の言葉は止まらない。
「しかし、それをいうなら、小鳥遊さんも同じだった。珍妙な似非ライオンに街の危機を語られた程度で、疑いもせずに、死ぬかもしれない決闘に身を投じている。昨日はその理由が分からなかったが……もしかすると、簡単なことだったのかもしれない。今の俺と同じ。結局、衝動で動いているんだ。小難しい理由なぞ、後付けで」
委員長の言葉に、ナイトは息を呑む。白獅子のパートナーがなぜ戦っているのか、白獅子自身あまり深入りしてこなかったその理由に、少年は踏み込もうとしている。
『少年……』
「今、あの子を助けたいと思う、それ以上
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ