デュエルペット☆ピース! 第4話「SIN」(中編)
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」
ウサギのモンスターがその身を光に代えて、アズのデッキのカードに宿る。デッキから2枚のカードが飛び出し、ディスクにセットされると同時に、侵食された黒の岩石の身体を持つ二人の戦士が、フィールドに着地した。岩石戦士の血星石の瞳が、怪しく輝く。
ACTIVATE!
起動《レスキューラビット》:特殊召喚
SPECIAL SUMMON!
《ヴェルズ・ヘリオロープ》ATK:1950・☆4
《ヴェルズ・ヘリオロープ》ATK:1950・☆4
アズ
「わたしは2体のモンスターで……!」
闇アズ
『へぇ……何をするんですか?』
闇アズサに割り込まれて、異常に気付いた。いつもの通り、カード達を重ねることを願ったはずなのに、二頭の岩石戦士には何の変化もなく、格上の魔剣士に対してむなしく威嚇を続けるばかりである。
再び魔力を込めて、創造の基礎となる重ね合わせを念じるが、結果は同じ。岩石のごつごつした輪郭は確固としたまま、アズの願いだけが溶け出して闇の中に吸い込まれていく。
アズ
「なんで……どうしてORUにならないの……?」
闇アズ
『それはそうでしょう。だって、召喚するモンスター・エクシーズは……外に置いてきちゃいましたよね?』
アズ
「あ……!」
その通りであった。アズが望み、創造するはずの剣たる少女は、先ほどまで展開していたデュエルで、既にフィールド上に呼び出されていたのである。呼び出す対象がいなければ、素材を作り出せないのも、また道理。
アズをコピーしておきながら、闇アズサが死の人形、ネクロ・ドールばかりを召喚し、剣たる少女を呼び出さなかった理由―――それは、自分だけが「アズ」であるという証明のためであった。
闇アズ
『もうあなたはモンスター・エクシーズを呼べない。無様に斬り捨てられるしかないんです。わたしの剣に……ね』
闇アズサの言葉を受け取って、魔剣士が大剣を水平に掲げ、切っ先をアズへ向ける。一気に高まった絶望感が津波のように押し寄せ、とうとうアズの膝が折れ、四つん這いになり、動けなくなる。
その姿はもはや―――「アズ」ではないのかもしれない。
闇アズ
『分かってくれました? だれが本当の「アズ」なのか』
微笑をたたえ、「アズ」が勝ち誇った。
* * *
アズがデュエルピースの黒球に取り込まれてから、既に半刻。全員がアズの無事を願うも、ガーネットが告げた、勝利の可能性が低いという現実に、打ちのめされて言葉が出てこない。
それでも、パートナーの危機であればこそ、口火を切ったのは、白獅子であった。
『ガーネット、あの力場に何とかして介入できないでしょうか? せめてアズのそばに行く
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