デュエルペット☆ピース! 第2話 「聖職」(前編)
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た。彼女は口からハンカチを引きずり出して放り捨て、すかさず窓枠に足をかけて一気に外に飛び出し、性虐から逃れるために走り出す。ナイトが浮遊術を使ってアズと同じ目線の位置で、空中を駆け、後を追った。
『おのれぇ……逃がしませんよぉ! 私の肉体ィ……!』
狭い部屋に残された中年男は、吠え猛りながら、アズが放り捨てていったハンカチを床からつかみあげ、自分の口に放り込む。舐るように咀嚼しながら、中年男は教務準備室のドアを乱暴に開き、少女の後を追おうと昇降口へ向かった。
* * *
人目につくのを避けるため、学校の裏門から校外へと躍り出た少女と獅子。正門に面した表通りと違い、この裏道は人通りも少なく、ナイトの存在が露見する心配はないようだった。
「ふぅ……ありがとう、ナイト。助かりました」
『礼には及ばないよ。しかし……デュエルピースの気配を追っていたら今日も君に逢うことになるとは……まあ、君の危機に駆けつけられたんだから、結果オーライというやつかな』
気心の知れた友のように、笑いあう。笑いあえることが、更に笑顔の種になる。その循環が、アズにとっては何よりの救いだった。
『それより、君は早くもっと遠くまで逃げるんだ。奴は私が何とかする』
「なんとかするって……そういえばナイトと一緒にデュエルをする専門の人かなにかがいるんですか?」
『あ、いや……私はパートナーをもったことがなくて……私自身デュエルするのは昨日が初めてだった……ワケだが……』
「ええっ? さも詳しそうにルール解説してたからベテランさんなのかと……じゃあ、どうやって先生からデュエルピースを回収するんですか?」
『う、ううん……それは……その』
アズは少々、あきれる思いであった。余裕のある紳士然とした態度に隠れて昨日は気づかなかったが、この獅子、あとさき顧みない猪突猛進型の性格なのかもしれない。
『と、ともかく! 君をこれ以上危険な目にあわせるわけにはいかない!』
「で、でも、わたし明日からもこの学校通わなきゃいけないので……先生を何とかしないと明日からも危険すぎる日常なんですが……」
『う、うん……そうだな……』
『それならば、先生ェがお相手しましょう。初回授業にして、特別授業という形でね、小鳥遊さん』
アズとナイトの背後から不意に投げかけられた声は、欲望によどんだ衛士教諭のものであった。
『言わんことじゃない、追いつかれてしまった!』
「ああ……」
『聞きましたよ、小鳥遊さん。あなたもデュエリストなんですねぇ。ならば、デュエルと行きましょう。あなたたちはデュエルピースが欲しいのでしょう? 私に勝てれば差し上げますよ』
『アズ、気にせず逃
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