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ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第28話 初めての泥棒?水精霊はまたやった
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聞きました。

 父上の話は、私からすると想定の範囲内でした。昼に感じた地震とその後に続いた断水は、既に知っていたからです。

「失礼します」

 父上の分の料理が運ばれて来ました。料理を運んできた新人従業員に、礼を言ってチップを渡します。従業員が退出すると、私はサイレントを発動し聞き耳を封じました。

「分霊が入っていた瓶等は如何したんですか?」

「回収してヴァリエール公爵の別邸に保管してある。近い内に、竜籠で領に送り返す心算だ。ギルバートはこれから如何するのだ?」

「いえ。竜籠を出す必要はありません。私が回収し、領まで持ち帰ります。それとエディかイネスを貸してくれませんか?」

「かまわんが、どうやって運ぶのだ?」

「私にはあの道具袋が有りますから」

 私はそう言って、精霊から貰った道具袋を見ました。父上は私の視線の先を見て、納得したように頷きました。

「分かった。好きな方を連れて行け。」

「ありがとうございます。それから、“水の精霊の涙”の処分についてですが、モンモランシ伯に協力してもらっては如何でしょうか?」

「何故だ?」

「下手にそのまま売り払うと、禁制の秘薬を量産する事になります。ならばモンモランシ家に委託して、なんらかの秘薬に調合してもらった方が安全です。これだけの量の水精霊の涙です。かなりの額になるでしょう。相応の儲けを分ければ、モンモランシ伯も借金地獄から立ち直れる上に、両家の関係を更に深める事が出来ます。……ディーネの事も、これを機会に話してみるのは如何でしょう?」

「……分かった。私は許可する。シルフィアとディーネが了承すれば話して良い。伯爵への面会の手配は私がしておく」

 何故今さらと思うかもしれませんが、実はモンモランシ伯はディーネの母親(ミレーヌ)を、最近まで秘密裏に探していたのです。秘密裏に探した理由は、ロマリアの神官でした。神官の不祥事を隠すために、悪役としてロマリアもディーネの母親を探していたのです。

 ドリュアス家がこの事を知ったのは、モンモランシ家が干拓に失敗し借金まみれになったせいです。モンモランシ家に仕えていた人間が、人員削減により職を辞し、紹介されてドリュアス家に多く就職したのです。その中にミレーヌの捜索を担当していた、ファビオと言う男が居ました。彼は秘密裏に調査を続けていましたが、周りに見つかり喋らされ、その話が父上の元まで届いたのです。

「話はこれぐらいか? 所でギルバート。お前は今日1日何をしていたのだ?」

 出来れば黙っておきたいですが、それが許される状況では無いですね。私は正直に、リッシュモン邸に忍び込んだ事を話しました。

「大馬鹿者!!」 ゴン!!

 当然のごとく怒られました。拳骨のおまけ付きで
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