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ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第28話 初めての泥棒?水精霊はまたやった
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る者よ。ならばこの警告を持って、我が本物である証拠とする」

 発言したのは、ギルバートが温和だと言っていた土の精霊だ。他の精霊から先んじて力を見せつけ、被害を最小限に抑えようとしてくれているのだろう。

「実行する」

 土の精霊が呟くと、突然王宮が……いや、王都が揺れ始めた。土の精霊が地震を起こしたのだ。少し物がカタカタ揺れる程度の強さの地震だが、我々メイジにとっては十分過ぎるほどの証拠だ。これには馬鹿も黙るしかない。

「もう十分です!! 揺れを治めてください!!」

 私の言葉に、土の精霊は地震を止めてくれた。私が一息ついて居ると、次に発言したのは水の精霊だった。

「次は我の番だな」

「えっ?」「まっ」「なに」「ちょ」

「実行する」

 土の精霊だけでこの場は十分なのに、水の精霊は何をしたのだろうか? 見た所何も変化が無い様だが……。

「水の精霊よ。いったい何をしたのですか?」

「うむ。この近くの水の流れを止めた」

 水の精霊の言葉に、この場が騒然となる。

「水の精霊よ。もう十分です。水の流れを元に戻してください」

 私が願い出ると、水の精霊は聞き返してきた。

「確認はせぬのか?」

「大丈夫です。この場の人間は、既にあなた方が本物である事を信じています」

 私が言葉に合わせて、周りの者たちが頷いている。

「安心せよ。一時的に止めただけだ。日が落ちるまでには元に戻る。無理に戻すと逆に弊害が出る」

 一部貴族はこの言葉に、安堵した様だがそうもいかない。今日一日は、王都が断水するのだ。それにより、どれだけの被害が出るか……。考えただけでも、頭が痛くなってくる。

 暫くして場が落ち着くと、国王と精霊が話し始めた。話の内容は、開拓を交渉役以外の者にも許可して欲しいと言う物だ。だが木の精霊は、この頼みをハッキリと断った。その上でドリュアス家以外の者を、交渉役として認めないと断言までした。そして更に「ドリアード家の様な事が二度と無い様に」と、付け加える。

 国王と精霊の会談は、精霊に事実確認しただけで終わった。だがこれで、私の話が真実であると証明された。

 これにより私は侯爵の位を賜り、広大な領地を管理する事になったのだ。アンスールの月エオローの週に、王都にて陞爵式が行われる事になった。

(上手く行きすぎていて、落ち着かないな)

 私はそう思いながら、ギルバートが居る魅惑の妖精亭へ向かった。

−−−− SIDE アズロック END −−−−



 私が部屋で夕飯を頬張っていると、父上が帰って来ました。

「ギルバート。今帰ったぞ」

「父上。おかえりなさい」

 私と父上は挨拶を交わし、王と精霊の会合の話を
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