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ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第28話 初めての泥棒?水精霊はまたやった
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らせていたので苦笑いを浮かべただけだった。一方でリッシュモンの周りは、騒然としていた。特にモンモランシ家の代わりに、水の精霊の交渉役になった貴族がやたらと騒いでいる。

 まあ、原因が私と一緒に入室した精霊達だから、仕方ないと言えば仕方が無い。しかしこのままでは話が進まないので、私はこの場を治める為に声を出した。

「お静かにお願いします」

 私の言葉に数人の貴族が黙ってくれたが、殆どに貴族には私の言葉が届かなかった様だ。自分の威厳の足りなさに、力不足を感じる。まあ、国王が正気を取り戻したので良しとしておこう。

「静まれ!!」

 国王の一喝で、貴族達は静かになった。あの十分の一でも良いから、私にも威厳が欲しい物だ。

「ご紹介いたします。精霊の森に住む木の精霊です。そして、その盟友のラグドリアン湖の水の精霊。同じく盟友の土の精霊。火の精霊。そして、風の精霊です」

 精霊達を紹介すると、またざわめきが起こった。無理も無いか。

「ドリュアス子爵よ。連れて来るのは、木の精霊だけでは無かったのかな? 何故他の精霊が居るのですかな?」

 言って来たのは、新しい水の精霊の交渉役だ。自分の領分を侵されたと思ったのだろう。

「木の精霊以外は、盟友としてこの場に居ます。これ以降、木の精霊に攻撃する敵が現れれば、この場に居る5柱の精霊が協力し、敵を葬ると言っています。この場に分霊を出していただいたのは、その意思表明とお受け取りください」

 私の言葉に、再び場が騒然となる。しかし何処まで行っても、空気が読めない馬鹿は居るものだ。

「ドリュアス子爵。水の精霊の交渉役でも無い貴方が、何故水の精霊を連れてこれたのですかな? 他の精霊も同様ですな。……まさか、偽物など言う事は無いでしょうな?」

 発言した馬鹿は、したり顔をしている。一部のみ「そうだ」と同意の声を上げているが、周りの者達がどの様な目で自分達を見ているか気付いていない。そう明らかな侮蔑と呆れの視線を……。この状況で苦い顔をしているは、馬鹿共の直接の上司であるリッシュモンだけだ。リッシュモンは自分に権力を集中させる為に、周りの部下から優秀な者を排除し、愚鈍で忠実な者を重用していた。それがこう言う場では、足を引っ張ると分かって居ないのだろうか? いや、前回私が謁見した時に、痛感しているはずだ。おそらく期間が短すぎて、対応出来なかったのだろう。

 私がそんな事を考え黙っていると、沈黙は図星を指されたからととったのか、馬鹿は調子に乗って精霊に言葉をぶつけた。

「本物だと言うなら、証拠を見せてほしいですな」

 馬鹿貴族に向けられる視線が、侮蔑と呆れがら敵意に変わった。それすら気付かずに、馬鹿は得意げな顔をしている。

「我を偽物と言うか。単な
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