暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第28話 初めての泥棒?水精霊はまたやった
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 メンヌヴィルも窓を突き破り、外に出て来ました。私はそれを音で確認すると、本能的に館の影に飛び込みました。次の瞬間には、私が居た位置を炎が通り過ぎます。その炎は庭先に在った小屋に命中して、小屋を炎上させました。

(ホーミングするファイヤー・ボール《炎球》じゃ無くて助かった)

 私は再び館の中に侵入し、逃走を続けます。

「お前ら!! 邪魔をするな!!」

 どうやら部下達が、メンヌヴィルを止めようとしている様です。しかし部下とメンヌヴィルでは、実力差が大き過ぎました。結局止められず、殴り飛ばされて居ました。

「はは! ははははははははははははははははははッ!! お前が燃え尽きる香りを嗅がせろ!!」

(うわーーーーん!! よるな変態!!)

 本来なら悲鳴の一つもあげたい所ですが、声を出せばメンヌヴィルの暴走を止めようとしてくれている者も、私を捕まえようと追って来るかもしれません。私は移動方法をフライ《飛行》による低空飛行で、ホバリング移動に近い方法に変えました。これにより、走行速度のアップと足音を消す作戦です。

(これで、足音で存在がばれる心配が無くなりました。後はこれで、少しでも狙いが甘くなってくれれば)

 そんな甘い事を考えた直後、ホーミング性の高い《炎球》が飛んで来ました。私は手近にあった角を曲がり、《炎球》を壁にぶつけ回避します。直後目の前に、人が6人居ました。私は継続中の《飛行》で飛び上がり、その6人の頭上を越えてぶつかるのを回避しました。

 その時に発生した《炎球》の爆風で、私は床を転がりましたが幸運にも、6人に私の存在はばれなかった様です。

「メンヌヴィル殿!! これはどういう事ですかな!!」

 結果的に6人は、私を庇う形でメンヌヴィルの前に立ち塞がりました。メンヌヴィルは「邪魔だ!!」と叫びながら、再び《炎球》を発動します。しかし《炎球》は、6人の中の誰かが発動したウォーターシールドで防がれます。これを皮切りに、メンヌヴィルと6人が戦闘を開始しました。

 私はこの隙に、屋敷の外へ逃げ出す事に成功しました。



 どこをどう逃げたのか、私は気付くと魅惑の妖精亭の前に居ました。手に持ったインビジブルマントを、物陰で道具袋にしまい魅惑の妖精亭に入ります。

 魅惑の妖精亭に入ると、ジェシカが声をかけて来ました。

「ちょっと。如何したの? 酷い顔してるよ。それになんか、焦げ臭い臭いがする」

 ジェシカの言葉に、私は脱力しました。

「うん。ちょっと変態に追いかけられて……」

 ジェシカの顔が、私の言葉で引きつりました。

「嘘よ。パパは、ずっとお店に居たわよ」

 ジェシカの言葉に、私は頭の中が真っ白になりました。私の反応に、自分が
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