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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
短編 あるお盆の物語 L
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。我が献上する贄である。」

それは、人としての身分を、一時的に捨てるものだ。

「我は、これの対価として力を望む。汝らの力を、その一部を、和が手にせんと欲す。」

そして、言霊は完成する。

「我が声を聞き届けし神よ、願わくば、我に大いなる力を!」

白夜の言霊が終わると、天から神々しい光が降りてきた。
その神々しい光り・・・日本神話の主神、アマテラスオオミノカミの一部は、白夜の体に入り込み、神々の力の一部を与えた。

これが、白夜の受け継いだ奥義。
神の力の一端を、贄を捧げることによって自分のみに降ろし、使役する奥義だ。
もちろん、神の力を借りるのだから相当な量の贄が必要になるし、どの神が力を貸してくれるかは、その時しだいと言う、運の要素が大きい面もある、不安定な奥義だ。
だが、使いこなせれば、神の力なのだからかなりのことが出来る。

「太陽よ、我が敵に裁きの一撃を!」
「ぬ、我に火をぶつけるか!我が姉弟、アマテラスの力で!」

そして、白夜は太陽神アマテラスの力で太陽の火を放ち、カグツチは自身の火で応戦する。
普通ならば太陽が勝つのだが、白夜は一部を借りただけなので、互角の争いとなっている。

「一輝、大丈夫か?」
「慈吾朗か・・・まあ、大丈夫だよ。自分の血だから、頭痛もないし。」
「ほう・・・なるほど、そう言うトリックか。」

慈吾朗はそう言いながらも、一輝に治癒札を押し付ける。

「どうせおんしは持っていないのじゃろう?気休めにはなるじゃろう。」
「本当に気休めだけどな、ここまでの傷だと。」

一輝はそう言いながらも札を受け取り、自分の傷に当てる。

「で?ここからどうするんだ?」
「白夜がこのまま勝てれば万事解決じゃが、そうもいきそうにないしのう。吼えよ、ベル。」
「ウォォォォォオオオオオオオオオン!!!」

慈吾朗はいつまでたっても拮抗が敗れない二人の間に向けて、お清めボイスを放ち、白夜に合流する。

「さて、そろそろ終わりにせぬか?白夜も奥義を発動できたことじゃし、ワシも使えばいけると思うんじゃが?」
「そうだ、な!」

白夜は途中でカグツチが撃ってきた攻撃を弾き、話を続ける。

「だが、一輝は大丈夫なのか?」
「心配しなくていい。俺が、この程度で死ぬはずがないだろ?」

一輝がそう言うと、白夜もそれで納得したようだ。

「じゃあ、これ渡しとくよ。」
「ああ・・・さすがに、しないわけにはいかんか。」
「じゃのう・・・霊獣程度であれば気にせんのじゃが。さて・・・混ざれ、ベル!」
「ウォォォォォン」

ベルは慈吾朗の言葉に従い、慈吾朗の体に入り、その身を預ける。
すると、慈吾朗に犬のような髭が生え、犬歯も長く、鋭くなる。

大した
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