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偽典 ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
第7章 終わりの始まり
第壱話 偽典・名探偵なのは?アーベル君
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アーベルは、書斎で捜し物をしている祖父に声をかける。
「おじいちゃん。
どうしたの?」

元気なアーベル少年の声を確認した老人は、いつもの厳めしい表情を崩して、豊かな声量で嬉しそうに答える。
「おお、アーベルか。丁度良いところに来てくれた。
わしの頼みを聞いてくれんか?」
「どんなこと?」
アーベルは、小首を傾げながら老人に尋ねる。

老人は、アーベルの返事に大きく頷くと、
「さっきから捜し物をしているのじゃが、見つからなくてのう。
これから、呪文をつかうと、探している物が光って見えるはずじゃ。
それを、わしに教えてくれないかい?」
「わかったよ」
アーベルは、元気よく答えた。

老人は、周囲を見渡してから、短く呪文を唱えた。
「レミラーマ」


呪文の効果を確認するため、老人はアーベルに質問する。
「どうじゃ、アーベル?」
「おじいちゃんの頭が光ったよ」
アーベルは、迷わず老人の頭を指し示す。

老人は、アーベルの答えに驚き、そして笑いながら、
「ハハハ、アーベルよ。
それは、昔からじゃよ」
頭に手をおいて、
「じゃが、ほかの者にはそんなことを、言うではな・・・・・・」
老人の手に触れた物体が、床に落ちる。

それは、老人が探していた眼鏡だった・・・・・・



〜「アリアハン冒険者養成所魔法講義用テキスト:著者ソフィア」から抜粋〜



俺たちは、マイラの村にいた。
「テルル、この辺りを頼む」
「わかったわ。レミラーマ」
テルルは、俺の頼みに応えて、呪文を唱える。

だが、俺たちが周囲を確認しても、光ることはなかった。



俺は、妖精の笛を探していた。

この大地、アレフガルドを創造したといわれる、精霊ルビス。
そのルビスは、大魔王ゾーマの手によって、石像にされ、マイラの村の北西にある塔で封印されている。
封印された精霊を元に戻す方法はただひとつ。
石像の前で、妖精の笛を吹くことである。

そして、妖精の笛は、ここ温泉の村マイラにあると言われている。
その情報を頼りに、俺は捜索をしていた。



「よし、次はここだ」
俺は、温泉から少し南の場所を指さす。
「わかったわ。レミラーマ」
テルルは再び呪文を唱える。
テルルのMPは基本的に、戦闘時では使用しない。
テルルの表情は、呪文を使えることで喜んでいるように見える。

「光ったわ!」
周囲に視線を移していた、セレンが声をあげる。
「そこですね、セレンさん!」
タンタルも喜びの声をあげる。
だが、ちょっと待って欲しい。

タンタル、お前は、セレンとは反対側の方向を見ていたはずだ。


だが、優先順位は笛を入手する方が高い。
とりあえず、タ
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