DAO:ジ・アリス・レプリカ〜神々の饗宴〜
第十一話
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「え?ソードスキル?」
小波は清文の問いに対して、何を聞いているのか、とでも言いたげな表情で答えた。
「何でそんなこと聞くんだい?」
「とぼけるな。レプリカのシステムにソードスキルが入ってるっていうのはどういうことだと聞いているんだ。ザ・シードシステムにはソードスキルのバックアップは無いし、あれだけの膨大なデータをどこから持ってきたんだ。まさかSAOシステムをハッキングしたとでも言うんじゃ無いだろうな」
小波たちの事だ、それくらい平気でやりそうな気がしたが、どうにも信じたくなくて清文は姉に詰め寄った。
「そんなワケないじゃないか。いくら最新鋭のハッキング/クラッキングプログラムを使ってもオリジナル・カーディナルにはアクセスできないよ。残念ながらね。試したけど無理だった」
「試したのかよ……」
自分たちが二年もあの世界に閉じ込められていたのが何だかばからしくなってきた。プログラムを解除して、安全にプレイヤーを救出できる奴なんて実は探せばいたんじゃないだろうか。この頃、清文はそう思ってならないのだ。
特に、目の前の人外極まりない姉を見ていると。小波の頭脳は常人のそれを軽く2倍ほど上回る性能だ。IQは確か小学校五年生の時点で150を超えていたはずだ。
「まぁ、清文が気にするのも仕方ないか……いいよ。今回のクエストの報酬、とでも言った形で教えてあげる」
「報酬?」
「うん。千場が最初に言ったでしょ?君の疑問はこの計画が終わるころにはすべて解消されている的な事」
「あー……」
《レプリカ》にダイブしていた時間は、現実世界では数時間ほどの間だけの事に過ぎないはずなのに、体感で四日ほど経過している清文には遠くの出来事のように思い返された。
「そういやそんなこと言ってたかもな」
「うん。じゃ、今回の報酬ね。ソードスキルシステムについては、簡単に言っちゃえば……最初っから、システムに組み込まれていたんだよ」
「は?」
「だから……《ジ・アリス》の破片を手に入れ、それを復元した時……最初から、その世界には《ソードスキル》の概念が存在したんだ」
*
栗原清文は現在、ロンドンの時計塔、その地下にある秘匿ラボで暮らしている。ここに設けられた小さな部屋が清文の今の自室だ。少し昔のSFアニメでの、宇宙船員の自室のような印象を与える、窓も何もない、よく言えば近未来的な、悪く言えば囚人を閉じ込める折のような部屋だった。
清文がこのなんだかよくわからない部屋に住んでいる理由は、一つ。
姉である栗原小波が計画した、《神々の遊戯世界》――――《ジ・アリス》を復元再生した世界、《ジ・アリス・レプリカ》の完成を手助けし、それを成し
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