Mission
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Epilogue other ペルセポネ/オーバー
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がい――」
――ルドガーとユリウスは帰って来ない。エルを救うために二人とも時歪の因子化して消滅した。
審判の門にルドガーが来てくれた時は嬉しくて泣いてしまった。でもおかしかったから聞いた。ユティはいないの? と。
するとみんなが哀しそうな顔をして。
ユリウスが言った。あの子は「橋」になった、と。
それからは怒涛の展開。ルドガーとユリウスが、ビズリーから願いの権利を奪うために共闘して。上限値まで残り二人だった時歪の因子カウントを埋めるために兄弟で時歪の因子化すると宣言して。
ただでさえ弱っていたエルには彼らを止める術がなかった。
「……エル。少し外、歩かない?」
エルは無言で肯いた。
元からパーティーのためにめかし込んでいた二人は、コートだけを上から着て部屋を出た。
木枯らしが吹き抜けるトリグラフの大通りを二人で歩く断界殻が無くなった影響からか、エレンピオスにも春夏秋冬の霊勢が現れるようになった。。
「さぶーいっ」
「もうすっかり土場(冬)ね」
「ミラっ、手」
「はいはい」
ミラが差し出した手を、エルは握ってポケットに突っ込んだ。こうするとあったかいと巷のCMでやっていて、エルが提案して以来、すっかり冬の風物詩になった。
「――エル、さっきの話だけどね」
「うん」
「変わらないでいるのって難しいわ。スープの味も、私自身も。だから一つだけ。私はエルの前からいなくなったりしない」
「本当に? 絶対?」
「ええ。昔みたいな弱虫でいるもんかって決めたから。あなたにしがみつけるくらいには成長したと思ってるけど?」
ミラは確かに変わった。例えばこういう冗談を言うのが上手くなった。例えば手を繋ごうと言っても照れたりしなくなった。
エルもまた変わった。背が伸びた。お気に入りの帽子もリュックサックも体より小さくなった。学校に通うようになってたくさんの言葉や知識を覚えた。
変わらないのは難しい。それでもエルは忘れたくない人たちなのだと――
「エル! パルミー!」
知った声にミラともどもふり返る。直後、きゃー、と水色の大精霊がエルとミラに抱きついた(ちなみに「パルミー」とは彼女が正史のミラと分史のミラを区別するために付けたニックネームである)。
「ミュゼ!」
「どうして? 来れないんじゃなかったの」
「予定が変わったの。エルの誕生日だったし、ちょうどよかったわ」
「エルのことなの?」
「いいえ。私たちみんなのこと。一番に教えてあげるなら貴女たちがいいかなと思ったの」
ミュゼが語るのは、ウソみたいな本当の話。
ミラで
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