暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
ALO
〜妖精郷と魔法の歌劇〜
人を超えるという事
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まり、殺せたくても殺せないのだ。
いくら目の前のモノをこの世から抹消したくとも、それを為す体力が無い。
いくら目の前のモノのすべてをを否定したくとも、それを叶える力が無い。
それでも、レンだったモノは足を前に踏み出し、歩を進める。
一歩ごとにアバターを構成する外殻がひび割れ、砂粒のように消えていっているのにも関わらず、下を向こうとしない。
根本的な所で人間であることを止めようとまでしているのに。
生命活動など当たり前のように絶望的だとわかっているのに。
下を向こうとせず、前を向き
『ljf;wa死sfjsdgっmv/b:\04』
言語でない言葉を喋る。
口を開くだけで、頬がひび割れ、崩壊していくのも気に留めずに。
《尾》を。
《翼》を。
振るう。
それは人が反応できる域など軽く振り切れていたけれど、超速戦闘の中では明らかに先程よりも動きが悪かった。言い表しにくいのだが、キレがないとでも言うべきか。
どちらにせよ、それは両者間の戦闘では致命的な物だった。
キリトという手駒を失った狂楽に有効な攻撃方法はないが、時間とともに崩壊していくという事が判っていればそれで充分すぎる。逃げるだけで勝てるのだ。
全力で漆黒の空間の中に設定した《床》を蹴り、狂楽はバックダッシュした。
数瞬という言葉でも足りない刹那の後、音という名の衝撃が全身を叩く。
『ご…………ォあッ……!!』
金属バットで全身をくまなく殴打されたような感覚。
あまりの痛覚に神経が着信拒否を起こし、痛みさえもトンだ。
今にもどこかへ旅立ちそうな意識の端切れをがっしと強引に掴み、《鬼》はそのまま床を蹴った勢いで漆黒の虚無の空間へと飛び出した。ここから先は、本当に何も設計していない。ただただ、目の前に広がる闇が真実で本質の空間だけが無限に広がっている。
自らから勢いよく離れていく《敵》の存在を認知し、やっとレンも逃げられるという思考が浮上する。
口元から理解不能な言語を叫びながら、砲弾のような速度で後を追った。
人ならざるモノたちの戦いを見、純白の少女の伏せられた瞳から流星のような煌きが落ちて消えた。
「………ト!……キ…ト!…キリト!!」
頬を張られたように、冷水をぶっかけられたように、俺は唐突に意識を覚醒させた。
途端に、「パパッ!!」という叫びとともに、胸の辺りに軽い衝撃と重さが加わる。
見ると、俺の胸に顔を埋めたまま嗚咽を漏らすユイの姿があった。小さなピクシー態ではなく、本来の、十歳ほどの少女の姿だ。
「ユ…イ……?ここは………」
俺の疑問に答えたのは、ピンと張った糸を爪弾いたかのような
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