第十一話 『白と黒の象徴』 後編
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ン・・・早く、早く、助けに来て・・・!」
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『ここからまたシン目線でいきます。』
ル『シン・・・早く、早く、助けに来て・・・!』
シ「えっ?」
ソ「シン様?どうかしましたか?」
シ「あ、いや、何でもねぇよ。」
今、ルーシィの声が聞こえたような気がした。嫌な予感がする・・・!
シ「フィニイ!急いでくれっ!!」
フィニイは手綱も叩いていないのにスピードを上げた。アワーズが言ったとおり、めちゃくちゃ賢い。すると、
ソ「シン様!あれ!」
ソーヤが指差した方を見る。前方には灰色の壁に黒い屋根のでかい建物。建物の周りに赤々と燃える炎が揺らめいている松明が燃えていた。
シ「あれが、『イドゥーレ城』・・・」
『アディール城』は白い壁に赤い屋根、周りには色とりどりの花が咲いていて、全体的に華やかだ。物語に出て来るお城そのものだ。が、『イドゥーレ城』は『アディール城』の真逆だ。一言で言えば、魔物が取り付いたお城だ・・・
ソ「ぶ、不気味ですね・・・」
シ「あぁ。」
すると、『イドゥーレ城』の門の前に二人の人影が見えた。一人は群青色の髪の毛に黒い瞳、体がすっぱり隠れる黒いマントを羽織っている男と、栗色のウェーブがかかったロングヘアーに茶色い瞳、紫色のワンピースを着た女。俺は門の前でフィニイを止めた。
シ「リドリー、レイチェル。『黒の誘拐団』・・・」
リ「やっとお気づきになられましたか。」
レ「待ちくたびれましたわ。」
俺はフィニイから降りると、腰に差してあった剣を抜いて刃先をリドリーとレイチェルに向ける。
シ「ルイカ様と『白の象徴』はどこだ。」
リドリーとレイチェルは肩を竦めると、
リ「ルイカ王女様の居場所は分からない。攫った後、そのままオルフェス王に連れて行かれてしまいましたから。」
シ「何ッ!?」
ソ「えぇっ!?」
俺とソーヤは目を見開く。冷や汗が額から右頬に流れ落ちる。・・・ま、まさかとは思うが、あ、明日・・結婚式とかやるつもりじゃあ・・ねぇよな・・・?
レ「あなたが思っているとおり、明日、オルフェス王の息子であり、『イドゥーレ城』の王子、オリファス王子とルイカ王女様の結婚式が開かれますわ。」
シ「んなっ!?」
ソ「あわわわわ・・・!!」
開いた口が塞がらない。案内役のソーヤも思っても見なかった事に慌てふためく。リドリーと
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