第十一話 『白と黒の象徴』 後編
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オ「こんな見苦しい状況にさせてしまいお詫び申します。私は『イドゥーレ城』の王、オルフェスと申します。」
オリ「僕は『イドゥーレ城』の王子、オリファスと申します。初めまして、ルイカさん。」
『イドゥーレ城』!?確か、『白の象徴』を狙っているのよね・・・そうだ。私、あの時、リドリーっていう人と、レイチェルっていう人に眠らされて・・・
ル「私をどうするつもり?」
オ「実は、息子のオリファスが、ルイカ王女様に惚れていまして。」
ル「えっ?」
私の思考が止まった。オリファスは恥ずかしそうに顔を赤らめながらこっちに歩いてくる。
オリ「写真とかでは何度も見た事があるけど、やっぱり本物は美しい。まるでピンク色の薔薇のようだ。」
例え方は素敵だけど、気持ち悪い・・・
オ「すでに結婚手続きもしております。式は明日。ルイカ様には素敵なウェンディングドレスに身を包んでいただきます。」
ル「え・・・」
私の頭の中が真っ白になった。ソフィアも隣で目を見開いている。
オリ「楽しみだなぁ〜。ルイカさんのウェディングドレス姿。」
オ「明日までの辛抱だ。それではルイカ王女様、この後メイドが部屋に案内していただきますので、今日は明日に備えてゆっくりお休み下さい。」
そう言ってオルフェスとオリファスは出て行った。その後すぐに、数名のメイドさんが来た。
メ1「ルイカ王女様、お部屋にご案内致します。」
メイドさんたちがガムテープを外してくれて、ようやく自由になった。そのまま私は部屋に案内された。
メ2「こちらが、本日ルイカ王女様がお休みになられる部屋でございます。」
扉を開けると、この部屋だけゴシック調の色じゃなくて、パステルカラーでまとめられた部屋だった。でも、『アディール城』と違って少し薄暗かった。
メ3「それでは、ごゆっくり、お休み下さい。」
そう言ってメイドさんたちは扉を閉めて部屋から出て行った。メイドさんたちの足音が聞こえなくなると、私は扉に手を掛けた。が、
ル「う、嘘ッ!?開かない・・・」
何度もやってみたけど、扉はガチャガチャ音を立てるばかり。窓の外を見ても、地面は遥か下にある。とても飛び下りて怪我だけで済む高さじゃない・・・私は絶望的だった。
ソフィ「ルーシィ様、これって・・・!」
ソフィアの声に顔を上げると、部屋のベットの手すりに純白のウェディングドレスがあった。明日、これを着るんだ・・・そう思うと涙が溢れてきた。私は両手で顔を覆い、その場にうずくまった。
ソフィ「大丈夫です。私もずっと傍にいますし、シン様とソーヤが、必ず助けに来てくれますよ。」
ソフィアが背中を優しく撫でながら励ましてくれた。
ル「シ
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