集う諸侯とそれぞれの思惑
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「どーもー。今回の参加ありがとうございますー。とりあえずこの書簡に代表者の名前と兵数の記入をお願いしますねー」
反董卓連合に集った諸侯たちの駐屯地に着いた俺たちを袁紹軍の赤髪ゆるふわセミロングな将が出迎えてくれた。もの凄くフレンドリーに。
風にふわふわと揺れる髪はまるで炎がたゆたっているかのよう。ぴょこぴょこと跳ねながらこちらに近付き、にへらと笑って桃香の手に書簡を張り付けたボードを手渡す。
「わ、わかりました」
「おっ! 噂の連戦連勝の劉備さんですかー! これは期待しちゃいますねー」
桃香が書いた名前を見てからからと笑いながらはしゃぐその将に、皆は口をあんぐりと開けて茫然としてしまっていた。
「あたしは張コウ。袁紹様の所のしがない将でーす。皆さんよろしくねー」
張コウはくるりと一回転して軽く自己紹介を行い、あまりの自由奔放さに驚きながらも口々に皆が自己紹介を返し始めた。
「劉元徳といいます」
「関雲長です」
「鈴々は張翼徳なのだ!」
「諸葛孔明といいます」
「ほ、鳳士元でし。あわわ……」
「徐公明です」
俺の自己紹介の直後、何故か張コウがこちらをじっと見つめてきた。
「あなたが黒麒麟? へぇ、男って聞いたからもっと筋肉達磨想像してたんだけど案外普通なんだ」
へーとかほーとか口にしながら上から下まで眺め、意外そうに俺の外見への感想を述べた。
普通で悪いか。地味なのは俺も分かってるんだ。気にしてるんだよ。
なんとか悪態を突いてしまいそうになるのを呑み込んで、目礼を一つと言葉を一つ返す。
「名を知って頂いて光栄です」
「うっわぁ……その話し方似合ってなさすぎ! やめたほうがいい! てかやめて! そのうち笑っちゃうから!」
既にけらけらと笑っているくせによく言う。
皆そんな事いいやがる。おい、お前らも笑いを堪えて頷くんじゃない。
苛立ちが増したがそれもどうにか抑え込んでなるべくフレンドリーに、
「じゃあ普通に話すけど構わないのか?」
「いいんじゃない? あたし官位とか興味ないし。皆でゆるーくへらへらしてるほうがずっといいからね」
返すとまさにへらへらと笑いながら張コウが言う。
さらに、にやりと笑ってウインクを一つ。そこで気付く。気軽にしてくれと伝えているのだと。案外気のいい奴なのかもしれない。
「お言葉に甘えるよ。それとゆるくへらへらしてるほうがいいのには俺も同意だ。楽しい世の中のほうが好きだしな。あなたとは仲良くなれそうだ」
そう言ってにやりと笑い返してみた。いたずら大好きな猫娘系っぽい。気が合いそうだ。俺を観察していた張コウはそれを見てさらに笑みを深めた。
「いいねぇ。あたし、あなたのことちょっと気に入っちゃった。男なのに雰囲気とかがっついてなくていいし、こんだけ女に囲
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