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乱世の確率事象改変
集う諸侯とそれぞれの思惑
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を求めている時だけだ。
 ならばと思い立って、
「おかえり白蓮」
「おかえり白蓮殿」
「……なんか懐かしくて泣きそうになった」
 口にすると、彼女はそういいながら本当に瞳を潤ませてしまった。今すぐ泣きだしても不思議ではないほどに。
「相変わらずだなぁ白蓮は」
「ふふ、相変わらず可愛いでしょう?」
「からかうのはやめろよ星! お前はもっと私に敬意をもってだなぁ」
「おや? 今にも涙が落ちそうな方のどこに威厳が?」
「抜かせ、ばか」
 軽口でやり取りを行う彼女達はやはり楽しそうだった。前の戦で二人の仲がさらに深まったんだろう。
「あー、白蓮。すまんが俺も将なんでお前が戻って来たなら桃香達も戻っただろうしこれから自陣で軍議がある」
「そ、そうだな。こちらこそ引き止めてしまってすまない」
「いえいえ、私も楽しい時間が過ごせましたから」
 辛気臭くなりそうだったのでおどけてみせると二人が笑ってくれる。
「あはは、そうだ秋斗。私達と桃香の軍はシ水関で先陣になったぞ」
「前情報ありがとう。よろしく頼む。ではな二人とも。星、牡丹にもよろしく言っといてくれ」
「承知した。また後程。戦場で」
「またな秋斗!」
 そう言って二人から離れ俺は自陣へと戻って行った。白蓮達からはいつかのような喧騒が聞こえる。
 彼女達と言葉を交わした事によってか、戦の前にかなり気が楽になった。

 †

「明、ごめん。あなたを先陣に送ることになってしまった」
 会議が終わり、私の親友である田豊こと夕は帰ってくるなり今にも泣きそうな顔で謝ってきた。
 彼女は、自身で立てた予測の一つである、私が先陣に立つことを止められなかった事を悔やんでいる。
「いいよー。どうせ戦うんだし、劉備軍の人がいるからある程度は安全でしょ。それより夕は一人で大丈夫?」
 出来る限り軽く話して気にしていないと言外に伝える。
 私の事よりも、この子を本初と二人きりにはしたくないという気持ちの方が大きい。
「ん、大丈夫。今回あのクズは城にいるから狙われたりもしない。それに本初の憎悪も受け慣れてる」
「でも――」
「大丈夫。私は軍師の仕事をするだけ。明は戦場で無茶しないで?」
 彼女の心境は話の間中ずっと私への心配のみ。彼女は大切な数人以外はどうでもいい。私と同じ、同類だから。
「あたしなら余裕だよ。でも力を見せ過ぎず上に上がりすぎないようにしないとねー」
 全てから夕を守るために。私の大切なモノは彼女と……今は近くにいないもう一人だけ。
「……顔良と文醜にまた手柄を譲るの? 別に他の諸侯の将くらいなら巻き込んでもいいのに」
「いつも通りだよー。だってあいつらも活躍の機会くらい欲しいでしょ。まあ、この張コウ様は世渡り上手だから問題ないけどねー」
 悲痛な顔を笑
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