集う諸侯とそれぞれの思惑
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を付けて貰った事で弱小である私達の軍はおまけ扱いになった。それを利用して多くを支援して貰わなければ戦えない意気地なしだと諸侯に見せているんだ。弱小であるにも関わらず名が知れ渡っている私達の評価を下げる為に。
今の私達では後一度引き下がるのが限界。もしやそれすらも見越して彼女は笑ったのか。
「……一か月分と四千で」
「いいですわ。そのくらい懐の深い袁家が出して差し上げましょう。後、将も一人つけてあげますわ。感謝なさい劉備さん。お〜っほっほっほ!」
「あ、ありがとうございます」
袁紹さんが割り込んで、予定よりも少ないが兵と糧食を確保する事が出来た。でも悔しい、あの人はこちらの足元を見て楽しんでいたんだ。だがありがたい事に将も一人つけてくれることでこちらも少しは楽に戦える。後は戦場で足りない分を取り返してみせよう。
顔を上げると田豊さんが冷たい目で袁紹さんを見ていた。袁紹さんは高笑いをしていて気付いてない。あの瞳は……憎しみだろうか。
「夕!」
不意に荀ケさんが声を上げると、田豊さんの視線がそちらに移るとバツが悪そうに俯いてしまった。
「?……まあいいですわ。それと作戦ですが、雄々しく、勇ましく、華麗に進撃! これです!」
「「「「「「……」」」」」」
あまりに曖昧でどうともとる事の出来る作戦とは言い難いモノを袁紹さんが提案して、連合としては初である会議が幕を下ろした。
本当にこの連合は大丈夫なんだろうか。
†
「秋斗殿。お久しぶりですな。黒麒麟の噂は幽州にも響いておりました」
「星も健勝そうでなによりだ。昇竜には届かんさ。あ、あとお前も久しぶり」
白蓮達の陣に着き、兵達のまとめも終わったのか佇んでいる二人を見つけて声を掛けた。
談笑していた彼女達の雰囲気からは、どこか以前とは違い、信頼の気持ちが強まっているように感じた。
「久しぶりにいらつく顔があると思ったら一言目にお前ですかそうですかまだあなたは素晴らしい白蓮様に仕える私の偉大さがわからないようなので懇切丁寧に教えて差し上げましょうまず朝起きたら白蓮様の掛け布をクンカクンカすることから始まり身を清めて白蓮様に挨拶そして白蓮様と出会えたことに半刻感謝の祈りをささげて「牡丹、静かに、しろ?」ふみゃっ! ごめんなさい!」
長々と早口で捲し立てる牡丹に対して、星が耳元で何やら囁いて黙らせる。相変わらず騒がしいことだ。しかし遂に星でも黙らせられるようになったのか。
「秋斗殿、いい加減真名で呼んでやってはいかがです?」
「いやだ。こいつが先に呼ばない限り呼んでやらない」
これはずっと前から継続している彼女との意地の張り合い。
「バカ! 呼べ! 先!」
牡丹はこちらを睨みつけながら短く三行で怒鳴る。今にも飛びかかってきそうなので星が羽交い絞めに
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