集う諸侯とそれぞれの思惑
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まれても色恋沙汰とかなってなさそうなとこもいいじゃん」
しかし先程からちくちくと的確に痛い所を突きやがる。どうせ俺はモテないさ。
「生憎、俺はかっこよくないしモテない――」
「そ、それよりわたしゅ達は何処に陣を構えたらいいのでしょうか!」
滅多に出さないような声で雛里が割り込んで来た。
皆もびっくりしてるじゃないか。そういやあんまりこういう話は苦手だっけか。
「……あー、なるほど。とりあえず劉備さんのとこはあの奥の空いてる所にしてくれますか? それと諸侯会議が陣が出来たちょっと後くらいに始まるから代表さんと軍師くらいは行ったほうがいいですね」
何かに納得した後、つらつらと説明をしてくれる張コウに対して、桃香がぺこりとお辞儀をして礼を返した。
「わかりました。ありがとうございました張コウさん」
「いえいえー仕事なんで。あ、晃兄はその間あたしといろんな話しようよー」
どうやら彼女の中では呼び方が決まってしまったらしく、にやにやしながら身体を寄せて言ってくるが何が楽しいのやら。
「美人さんからの誘いに申し訳ないんだが無理だ。俺たちも忙しいし個人的に挨拶しときたいとこもあるから」
「えー、けちー。ま、いっか。じゃあまたねー」
言い切り、ふらふらと歩きながら違う場所に向かってしまった。
嵐のような人だ。あれが張コウとは恐れ入る。
自分の知識にある武将とのギャップが面白くて無意識に去っていく彼女の背中を見つめていると、何故か雛里は俺をじとっと睨んで来て、朱里は目からハイライトが消えていた。もの凄く怖いんですが。
「秋斗殿、多分、陣が出来次第か作成途中に軍師二人からお説教が待ってます。お覚悟を」
諦めろというふうにポンと肩を叩いて話す愛紗。俺が何をしたというんだ。
そして俺たちは言われた通りの場所に陣を構えた。正座した脚が痛い。
†
「お〜っほっほっほ! わたくしが今回の会議の司会者、名門袁家当主にして美しく可憐な袁本初ですわ!」
陣を組み終わり、会議の場に到着すると私達が一番最後だったようで、急いで開いてる場所に座ると袁紹さんが高笑いをしつつ自己紹介を始めた。
豪奢な金髪をくるくると何重にも、地に着きそうなほど巻いている彼女は、品がいいのか悪いのか全く分からなかった。
しかし張コウさんといい袁紹軍はこんな人ばかりなんだろうか。少し頭痛がしてきた。
「進行役、袁紹軍軍師田豊。よろしく」
物静かそうな、長い黒髪を少しだけ横で括った私くらいの身長の女の子が袁紹さんに続く。まともな人がいてよかった。というか進行役なら司会者の意味が……
「皆さんも自己紹介してよろしくってよ。まあわたくしほど美しく要点を抑えた自己紹介はできないでしょうけど」
この連合は大丈夫なんだろうか。袁紹さん
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