覇王と黒麒麟
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の徐晃に戻り、大仰に手を巻いて礼の姿勢を取る。
何故劉備にそこまでする。何故私の元に……あの目、覚悟の宿った目……今は、仕方ないか。
「ふふ、手間をとらせたわね。話してくれてありがとう、いい話が聞けた。また、会いましょう」
「こちらこそありがとうございました。また会いましょう、乱世で」
いつか手に入れる、必ず私に忠誠を誓わせてあげる。その時まで責任感と重圧に押しつぶされず、耐えてみせなさい。
徐晃の言葉を聞き、背を向けて歩き出すと鳳統が横を駆けて行った。
残念ね。あなたの慕う徐晃は必ずここから出ていくわ。それまでにあなたも淡い理想から覚めればいいのだけれど。
†
曹操。本当ならお前と平穏を作りたかったよ。
俺の言葉でどこまで考えた? 桃香の矛盾くらいか?
そんなものは分かってるんだよ。
俺にはあの腹黒少女の任務があるんだ。
世界を変えるためには歴史通りじゃいかんだろう。
劉備が史実で負けたなら、曹操がこの世界で負ければいい。
そのくらい大きな変化がいるだろう。
課題はいくつあるかわからない。
そのために桃香には王になってもらわなくちゃ困る。
王の論理は己が自分で確立しなきゃならない。
待つさ。
俺が世界を変えるために動くかぎり皆消えないんだから。
重荷も期待も願いも祈りも覚悟も全部飲み込んでやる。
桃香は理想の果てを分かるはずだ。それを抱いて死することもできるはずだ。
ひっかかるのは黄巾の最中のあの言葉だが、そのうち真意が分かるだろう。
雛里が拗ねている。頭を撫でたら少し機嫌を直してくれたか。
まだまだ甘えたい盛りなんだろうか。
ここ撚りは血みどろの乱世
夢と野望蠢く戦乱の世
生きて想いを紡ぐから
これから先の奪う命よ
残された救われない人達よ
どうか俺を怨んでくれ
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