月光校庭のエクスカリバー
第35話
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情を知らないのは朔夜君も同じじゃないかい?それとも部長から聞いたのかな?」
「いや、聞いてないから俺も事情は知らない。だが当たりは着けてある。
・・・聖剣に関係があるんだろ?」
祐斗がおかしくなったのはあの写真を見てからだ。
イッセーも感づいているようだ。
「・・・さすがだね。当たりだよ」
「このくらいならイッセーも感づいてる。それで簡潔にでも話してくれないか?」
「僕は教会で行われた聖剣エクスカリバーの適合計画、『聖剣計画』の失敗作さ。その被験者の中で処分を免れた・・・いや処分されてのち、部長に拾ってもらった存在だよ」
聖剣に殺されたとかじゃなく計画の被害者か。
聖剣は悪魔等、魔に属するものに必殺となる。それもエクスカリバーなんてかなりの有名どころの剣だ。そこまで上位となれば所有者が限られる。その適合計画と言うことは人為的に適合者を作る計画みたいだな。
「『木場祐斗』と言う名も部長からもらったものさ。さっきの態度は『木場祐斗』としては失格だった。でも、僕は計画唯一の生き残りとして聖剣に復讐しないといけないんだ!」
おおまかには理解した。あの写真に写っていた聖剣を見てから『木場祐斗』としてではなく、『計画の生き残り』と言う面が出ていたと言うことだろう。
今の祐斗は復讐に囚われすぎている。最悪このままどこかに行ってしまいそうだ。だからそうならないように言葉を掛けようとした。
びちゃ。
雨音に交じって水を蹴る音が聞こえた。
俺と祐斗は音のした方を見ると、そこには神父が居た。
間が悪い。今の祐斗は虫の居所が悪いなんてもんじゃない。それに祐斗は教会を憎んでいる。以前アーシアの話を聞いたときに殺気だっていたんだ。最悪この神父を問答無用で殺しかねない。
仕掛けてくるのなら返り討ちにするがこちらから仕掛けるのはいただけない。
だが、その神父は口から血を流して倒れた。
背中には刺し傷があり、雨を流れる血の量からして貫通している。
位置的には心臓を貫いているだろう。
祐斗は動いていない。ならだれがやった?
その答えはすぐにわかった。
「「っ!?」」
驚異的な殺気が俺たちに向けられ、祐斗は魔剣を、俺は杖を出す。
ギィィィンン!
剣同士がぶつかる音が響く。
殺気の主は祐斗と鍔迫り合いをする。
そいつも神父服を身に纏う少年神父。
「やぁ。お久しぶりだねぇ」
「フリード・セルゼンっ!」
この町に潜んでいた堕天使達を襲撃したとき、唯一逃がした神父フリードだった。
「お前まだこの町に潜んでいたのか?」
「いんや。あの後武者修行の旅に行ってまいりまして、いい感じにパワーアップしたんで約束通りロマンチックな殺し合いをやりに戻ってきました」
変わらない狂った言い回し。本当に腹立た
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