第三十六話「ブリューナク」
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ーーー【エクスカリバー本部・第2装甲壁上】
第2装甲壁上には、ヴェールマンが立っていた。
しばらくして彼のもとに、彼の精鋭部隊"カラドボルグ"のメンバーが2人やって来た。
「今現在の状況を報告してくれ」
「第1装甲壁が破られ、現在第1装甲壁内で応戦しています。第2装甲壁は未だ破られていません。
"クラウソラス"のメンバーは各所で交戦を開始。覚醒兵部隊も第2装甲壁の防衛に当たっています」
「そうか……このまま守り切れればいいが……」
落ち着いた様子のヴェールマンのもとに、一人の兵士が焦った様子で走ってきた。
「緊急の報告です!第2装甲壁のゲートが破損!感染者共が第2装甲壁内に!」
「なんということだ……」
流石のヴェールマンも動揺を隠せなかった。
防衛にも限界があることは計算済みだったが、2時間もしないうちに第2装甲壁も破られるのは
計算外だった。
「司令、どうします?」
「……………………」
報告に来た兵士も、カラドボルグのメンバーも、ヴェールマンの次の指示を待っている。
「……………出し惜しみをしている場合ではないな」
「?………………まさか、司令」
「"ブリューナク"の使用を許可する。なんとしてでも感染者共を食い止める」
ヴェールマンの言葉に、その場にいた兵士達は驚きを隠せなかった。
"ブリューナク"とは、エクスカリバー本部が新たに開発を進めている新型兵器の名称だ。
「し、しかし司令。それはあまりにも無謀です!ブリューナクはまだ試作段階の兵器です!
まだデータも不十分ですし、試運転もまだ………」
「これが試運転だと思えばいい!データを取る機会など、これからいくらでもある!」
「しかし……!」
「分かりました」
カラドボルグのメンバーが、ヴェールマンの意見に賛同した。
「このまま何もしないよりずっとマシだ。それにブリューナクは、この戦局を大きく覆す兵器だ。
こんな状況に必要だからこそ、開発した兵器だろう?」
「…………」
反論を言っていられるほどの余裕がないのは、誰の目から見ても明白だ。
人手はどこでも不足している。この状況がいつまでも続くと、本部が危うい。
「…………分かりました。ブリューナクを使いましょう」
「すまないな。全責任は私が持つ」
新型兵器・ブリューナクの使用が、ヴェールマンによって許可された。
新型兵器「ブリューナク」
名称"携行型・閃光放射型レールガン"
強力な電磁石と、高電圧バッテリーを使用した、技術開発班の最高傑作。
形状は白色のロケッ
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