第八十話 事を成す為に
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事には分からないからな……」
メンデルで補給を済ませ、出撃の準備を終えるガーティ・ルー。結局、メンデルを使った質量兵器としての攻撃を仕掛ける作戦は無しとなった。移動させようにも加速させるための物資も足りず、無理があり過るためだ。そもそもブレイク・ザ・ワールドの時の様に地球の重力に引かれるという事自体が無い為、単独ではまともに移動させるのも困難である。
そうしてメンデルから出る直前にネオはガーティ・ルーにいる乗員全員を集めた。いつでも出航は可能であり、多くのクルーは出航前に集まったこの状況に何が行われるのか大体察しがついているようだ。
「よく集まってくれた。態々こうやって全員一斉に集めた理由なんだが……あー、何から話そうか?
何だ、まあ……俺達はもうファントムペインという組織の人間じゃない。ロゴスが滅び、ジブリールも死んだことで責任も、義務も、それどころか権利や立場だって失った。今じゃ俺達はただの根無し草ってやつだ――――そして、俺達がこれから行うのはただの私怨だ。自分勝手な行動に過ぎないし、それどころか勝ったところで何が得られるっていうわけでもない」
ネオの発言にクルーの全員は沈黙する。それが現状の嘆きからなのか、それとも同意からなのか、様々な意味合いでの沈黙だが、誰もがネオの話に口出しせず、ただじっと話を聞き続ける。
「寧ろ、世界が変わっていくこの世の中で俺達のやってる事は何一つ意味のない事だろう。価値も名誉も、存在理由もない今の俺達のこれから行う行動は徒爾に終わる結果が待ち受けている。ならどうする?引き下がって身を隠しながら、影に潜みながら生きていくか……それとも、諦めて投降するか?」
それもまた一つの人生だろう。生き恥を、そして死に恥を曝してでも生き残りたい人間というものはいるのだ。ネオとしてもそれを根本から否定する気はない。
「それを望むというのなら俺は止めない。別に責めたりもしないさ。故郷に家族が待っている奴だっているだろう?別に、これから行う無意味ともいえる闘争から逃げることは悪い事じゃねえ。というか、そっちの方が絶対正しいんだよ……だけどな、俺は、戦う――――最後まで俺は戦って生きていくって道を選ぶことにした!お前たちは満足か?今の状況に、こうなっちまった世界によ?もし違うっていうなら――――お前達もこの俺に手を貸してくれ!!」
答えは聞くまでもなかった。元々、ファントムペインに所属し、彼の部隊にいたクルー達は最後までついて行くつもりだったのだ。全員が一斉に敬礼し、彼らは戦う事を改めて決意したのだった。
◇
「では、公式的な会談は不可能と?」
「申し訳ございません。我々としても少しでも早く戦争を終結させたいとは思っているのですが……やはり会談を開くには無理があるかと
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