第八十話 事を成す為に
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ペインが持つ数少ないルートからの補給を依頼し、そこまでして手に入ったのは多いとは言えない補給物資と、性能的には満足できないシビリアンアストレイ程度の機体しか手に入らなかった(本来は戦闘での使用は禁止されているのだがファントムペインにとってはそんな規則はあってないようなものであり、売りに来た側もそのことを重々承知している)。
とはいえ、シビリアンアストレイは背面が規格化されているため、バックパックに様々な装備を取り付けることが出来るという利点も存在している。カスタムタイプに至ってはかなりの高性能を引き出せる機体にすることも可能であり、大きな可能性を秘めている機体だと言えるだろう。マーシャンの機体などがその最たる例だ。尤も、物資の乏しい今の状況ではガーティ・ルーに元々あったガンバレルパックの進化系であるエグザスパックを取り付ける位しか改造の余地はないのだが。
「ま、元々使い捨てる気だから問題はないか……」
そもそもいくら数多くの機体があったところで残っているパイロットがごく少数である。操作するだけならともかく、戦闘を行える程のパイロットは最早ネオとアウル、エミリオの三人ぐらいしか居ないだろう。そして、エミリオにはロッソイージスが、アウルにも中破していたとはいえシビリアンアストレイなどのパーツを流用することで一応の補修を済ませたG‐Vがあり、実質操縦するのはネオの一機だけである。
「使い捨てるとはどういうことだ?」
「エミリオか……どうもこうも、そうでもしなけりゃ俺らに勝ち目はないって事さ」
「死ぬ気か?」
使い捨てるという事はつまりパイロットであるネオは死ぬ気なのかと尋ねる。地上でならまだしも、宇宙で機体を捨てるなどというのはただの自殺行為だ。生き延びる可能性など殆どない。しかし、ネオはその疑問に対して否定した。
「死ぬ気はないさ。そもそも使い捨てるって言い方が悪かったかね?最終的にはこいつを捨てるってだけの話だ」
そう言われてエミリオもネオの狙いが何なのかようやくある程度の察しがつく。
「まさか……機体を奪取するというのか!だが、出来るのか?アーモリーワン以上に難しいだろう?」
「オイオイ、流石に狙うのはそっちじゃないって。俺達が向かうのは廃棄済みだろうあっちの方だ。お目当ての代物にもこっちの情報網で見当はつけてる。ま、今もあるかどうかに関しては賭けになるだろうがな」
情報に関してはそれなりに信頼できる筋からのものだが、問題はその情報が今も正しい情報なのか否かだ。ダナが裏切ったことも含めて、現在はどの情報が正しく、どれが間違っているのかは分からない。さらに言えば情報が正しくともそれは既に過去のものであり、今もなおそこにあるかどうかに関する保証はないのだ。
「ま、こればっかりは行ってみない
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